損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所奈良地方裁判所
事件番号令和1(ワ)297
判決日2022-05-31
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文国家賠償法1条1項、民法415条

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点及びこれに対する当事者の主張
⑴ 亡Dの業務の過重性(争点1)
ア 原告らの主張
教職員課給与係における亡Dの業務
平成26年度に亡Dが行っていた業務は、臨時職員給与システムの副担
当、義務教育国庫負担金の処理、旅費の副担当等であるが、平成27年3
月の旅費の業務量は、例月の3倍であったこと、国庫負担金事務は、量が
多く、かつ、プレッシャーのかかる責任ある業務を一人で担当していたこ
と、平成26年秋の会計検査院による検査対応という突発的な業務にも従
事していたこと、平成27年度は給与管理システムの更新時期であったこ
とから、うつ病発症前の亡Dの業務は、質的に過重なものであったといえ
る。
また、教職員課は、繁忙期を中心に、職場全体が長時間勤務となってい
た。亡Dは、時期によって違いがあるものの、午後10時前後まで勤務す
ることが多く、平成27年4月上旬のうつ病発症前1か月間(同年3月1
1日~4月10日)は100時間を超える時間外勤務に従事し、しかも、
同年3月23日から4月4日までは13日間連続で勤務し、そのうち多く
の日に午後10時から午後11時までの深夜時間帯まで勤務した。このよ
うな勤務実態は、厚生労働省が、心理的負荷による精神障害の労災請求事
案について適用するものとして平成23年12月に定めた「心理的負荷に
よる精神障害の認定基準について」(基発1226第1号)(甲7)(以下
「精神障害認定基準」という。)において、心理的負荷が「強」とされ、原
則として業務上と判断される出来事である「2週間(12日)以上にわた
って連続勤務を行」い、「その間、連日深夜時間帯に及ぶ時間外労働を行っ
た」場合に当たる。
したがって、教職員課給与係における亡Dの業務は質的、量的に過重で
あったといえる。
砂防・災害対策課災害防止係における亡Dの業務
亡Dは、砂防・災害対策課災害防止係において、土砂災害特別警戒区域
(レッドゾーン)の指定業務等に従事していたが、教職員課からの異動に
より業務内容に著しい変化が生じた上、土砂災害特別警戒区域指定の検討
箇所は1万箇所に及ぶもので、過大な区域指定の課題が課され、数値目標
も設けられていた。同課においては、時期によって違いがあるものの、多
くの職員が午後10時前後まで勤務していた。亡Dも、割り当てられた業
務が過大で、平成28年4月上旬にうつ病が増悪する前3か月間は、月1
00時間前後に及ぶ時間外勤務に従事し、しかも、同年3月14日から同
年4月1日までの19日間は、長時間の連続勤務に従事した。
したがって、亡Dの砂防・災害対策課災害防止係における業務も質的、
量的に過重であったといえる。
イ 被告の主張
教職員課給与係における亡Dの業務
亡Dが教職員課給与係において担当していた業務は、毎月の業務の流れ
があらかじめ決まっ

主文(判決文より)

1 被告は、原告らに対し、それぞれ、3405万5766円及びこ
れに対する平成29年5月21日から支払済みまで年5分の割合
による金員を支払え。
2 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は、これを10分し、その3を原告らの連帯負担とし、
その余を被告の負担とする。
4 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。