発信者情報開示請求事件

事件の基本情報

裁判所大阪地方裁判所
事件番号令和5(ワ)4934
判決日2023-11-30
分類民事 / 著作
判決種別判決
当事者原告 株式会社グルーヴ・ラボ/被告 近鉄ケーブルネットワーク株式会社

この事件の代理人

  • 杉山央(原告代理人)/札幌弁護士会
  • 北岡弘章(被告代理人)/大阪弁護士会

争点(判決文より)

争点
(1) 情報の流通によって原告の権利が侵害されたことが明らかであるか(争点
1)
(2) 原告は本件発信者情報の開示を受けるべき正当な理由を有するか(争点2)
4 当事者の主張
(1) 情報の流通によって原告の権利が侵害されたことが明らかであるか(争点
1)
〔原告の主張〕
ア 本件調査の信用性について
本件ソフトウェア(μTorrent)は、ビットトレントの制作会社が、一般
の利用者においてビットトレントを利用しやすくするために作成し、管理している
ソフトウェアであり、ビットトレントの情報をそのまま表示するという機能がつい
ている結果、本件ソフトウェアを利用すると、目的ファイルをダウンロードしてい
るユーザーのIPアドレスがそのまま表示される。本件調査においては、本件調査
会社がその確認作業(①原告から調査を行うことについて許諾を受けた作品〔対象
作品〕の情報を確認する、②対象作品をウェブサイトで検索し、トレントファイル
をダウンロードする、③本件ソフトウェアを起動し、パソコンにダウンロードした
トレントファイルから本件ソフトウェア上にて対象作品のデータのダウンロードを
開始する、④違法ダウンロードしているユーザーのIPアドレスを確認する、⑤そ
の際、ファイルを開いて対象作品と見比べる、⑥取得したIPアドレスからプロバ
イダを特定する。)を機械的に行っているのであって、そこに恣意が介在する余地
はない。以上のことからすると、本件ソフトウェアにつき、プロバイダ責任制限法
ガイドライン等検討協議会(以下、単に「協議会」という。)の認定がされていな
くとも、本件調査の結果には十分な信用性が認められる。
イ 送信可能化行為及び自動公衆送信行為について
(ア) ビットトレントの仕組みからすると、ビットトレントのクライアントソフ
トがインストールされた端末がインターネット接続され、他のユーザーからファイ
ルの送信を受けている間、その端末は自動公衆送信装置として機能し、端末の記録
媒体は公衆送信用記録媒体となり、他のユーザーからファイルの送信を受ける行為
は公衆送信用記録媒体への情報の入力に該当するとともに、当該ファイルは記録媒
体に記録されるため公衆送信用記録媒体への情報の記録に該当する。また、同時に、
公衆たる他のユーザーからの求めに応じて自動的にファイルが送信されるため、ビ
ットトレントを利用して他のユーザーからファイルを受信することで必然的に自動
公衆送信が生じる。
本件調査の結果によれば、本件契約者は本件ファイルのピースをビットトレント
のネットワーク上の他のユーザーからダウンロードすると同時にアップロードした
といえるから、本件ファイルに係る情報の送信可能化が成立するとともに、自動公

主文(判決文より)

1 被告は、原告に対し、別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せよ。
2 訴訟費用は被告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。