損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号平成21(ワ)12854
判決日2010-05-28
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文著作権法32条1項

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点
(1) 本件転載について原告の許諾があったか
(2) 本件転載は「引用」(著作権法32条1項)に当たるか
(3) 本件転載による原告の著作者人格権侵害の成否
(4) 本件転載による原告のプライバシー及び名誉権侵害の成否
(5) 原告の損害
4 争点に関する当事者の主張
(1) 争点(1)(本件転載について原告の許諾があったか)について
ア 被告
被告は,被告ホームページに本件記事を転載することを考え,平成19
年4月ころ(遅くとも同年6月20日までに),抗がん剤治療のために被
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告クリニックを受診した原告に対し,本件記事を被告ホームページに掲載
することの許否について意向を聞いたところ,原告は「いいですよ。」と
回答した。被告は,当時,自己の患者であった原告との間に信頼関係があ
るものと考えており,上記許諾を書面化することはしなかった。
また,被告は,本件記事が「がん治療最前線」に掲載されたものである
ことから,同年5月ころ,その発行元である八峰出版株式会社(以下「八
峰出版」という。)に連絡し,同社の担当者であるAから,被告ホームペ
ージへの掲載についての許諾を得た。
なお,原告は,被告ホームページに本件転載がされている間も被告クリ
ニックで診察,治療を受けていたが,本件転載を問題にすることはなかっ
た。
イ 原告
原告と被告との間で,本件記事を被告ホームページに掲載することに関
する話が出たことはなく,原告が平成19年4月ころに被告クリニックを
受診した際,本件記事の転載について許諾した事実はない。本件転載は,
原告に無断で行われたものである。
原告は,平成19年3月,左後頭葉に再発したがんを摘出するため,全
身麻酔による開頭手術を受けており,同年4月当時は,再発防止の治療の
ために医師も患者も必死だった時期であって,このような時期に,担当医
である被告が,原告に対し,本件記事の利用について話を持ちかけるなど
ということは考え難い。原告は,同年4月当時,上記開頭手術の影響で体
力が著しく低下しており,独力で自宅(千葉県佐倉市)から被告クリニッ
ク(東京都中野区)まで通院できる状態ではなかったため,原告の長女も
診察に付き添っていたが,同人も,そのころ,被告から本件記事の利用許
諾を求められたことはないと記憶している。
また,原告は,平成20年8月ころ,本件転載の事実を知り,その後す
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ぐに,当時の代理人弁護士を通じて,被告に対し,同年9月16日付け書
面により著作権侵害の通知をしているが,仮に被告が原告から本件転載に
ついて許諾を得ていたのであれば,同通知を受けた後すぐに本件転載を中
止するのは不自然である。被告が,原告による上記侵害通知の後すぐに本
件転載を中止したということは,被告が原告から本件転載について許諾を
得ていなか

主文(判決文より)

1 被告は,原告に対し,41万6000円及びこれに対する平成21年4月
25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は,これを30分し,その1を被告の負担とし,その余は原告
の負担とする。
4 この判決の第1項は,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。