事件の基本情報
| 裁判所 | 東京地方裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成23(ワ)21757 |
| 判決日 | 2013-10-30 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 商法374条、特許法35条、特許法35条3項 |
| 当事者 | 被告 株式会社HGSTジャパン |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点 (1) 職務発明の相当対価に係る支払債務の承継の有無(争点1) (2) 消滅時効の成否(争点2) (3) 相当対価の額(争点3) 3 争点に関する当事者の主張 (1) 職務発明の相当対価に係る支払債務の承継の有無(争点1) (原告の主張) ア 特許法35条は,特許を受ける権利が発明時においては従業者に帰属す ることに鑑み,使用者が従業者から特許を受ける権利又は特許権を承継等 した場合には,従業者は相当対価の支払を受けることで,使用者と従業者 の利害調整を図った規定である。 この趣旨からすれば,改正前特許法35条3項の相当対価の支払を受け る権利は,従業者の使用者に対する権利といえるから,従業者に対して相 当対価の支払債務を負う者から事業を承継し,使用者の地位を承継した者 は,書面による規定がなくとも,相当対価の支払債務についても承継する。 本件特許権は,被告が日本IBMから承継した事業に関わるものであり, 被告(もしくは被告関連会社)とサムスンらとの包括クロスライセンス契 約の対象とされていたことからすれば(甲2),被告は,日本IBMから 使用者の地位を承継した後は,本件特許権に関する利益を享受しうる立場 にあったといえ,相当対価の支払債務を承継させても何ら不利益はない。 したがって,被告は,原告に対する相当対価の支払債務を承継したもの である。 イ 被告は,平成14年10月31日付け分割計画書(乙1。以下「本件分 割計画書」という。)では,本件分割により承継される権利義務の範囲は 別紙2記載のものに限定されるとして,別紙2には相当対価の支払債務は 含まれないと主張する。 しかし,上記のとおり,事業及び使用者の地位の承継に伴い,相当対価 の支払債務も承継されるのであり,本件分割計画書に記載がないからとい って相当対価の支払債務を承継していないとはいえない。 また,相当対価の支払債務が特許を受ける権利の譲渡契約に基づく債務 であることと,相当対価の支払債務を定めた改正前特許法35条3項が雇 用契約上の利害関係の調整を図る強行法規であることとは両立するもので あり,相当対価の支払債務が特許を受ける権利の譲渡契約に基づく債務で あることを理由に,雇用契約に基づく債務でないということはできない。 むしろ相当対価の支払債務については,本件分割計画書別紙2の雇用契約 に基づく負債として承継したと解することもできる。 さらに,本件分割計画書には,特許に関する扱いについては特許権の譲 渡を含め何ら記載されていない。特許権の譲渡について記載されていない 以上,相当対価の支払債務についても記載されていないことは当然である。 第11項では,「本計画書に定めるもののほか,本件分割に関し必要な事 項は,本件分割の趣旨に従って,当社がこれを決定することができる」と 記載されている
主文(判決文より)
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。