損害賠償請求事件

事件の基本情報

裁判所東京地方裁判所
事件番号令和1(ワ)30491
判決日2021-06-11
分類民事 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文著作権法14条、著作権法64条1項

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点及びこれに関する当事者の主張
(1) 本件著作物の著作者が誰であるか(争点1)
(原告の主張)
ア 本件著作物は,原告及びCが共同してこれを創作し,各人の寄与を分離
して個別的に利用することができない共同著作物であるから,本件著作物
の著作者は原告及びCである。
イ 被告は,本件著作物を若干修正した本件論文に被告の氏名が著作者名と
して表示されている以上,著作権法14条により,被告が著作者であると
推定されると主張する。
しかし,被告は,本件著作物のたたき台の作成に関わったものの,本件
著作物の作成過程でその内容は削除され,最終的には残っていないから,
上記の推定は覆される。そして,前記アのとおり,本件著作物を創作した
のは専ら原告及びCである以上,被告が著作者であるとは認められず,被
告の上記主張には理由がない。
(被告の主張)
ア 本件著作物を若干修正した本件論文には被告の氏名が著作者名として表
示されているので,被告が著作者と推定される(著作権法14条)。
イ 原告は,本件著作物の創作者は原告及びCであると主張する。
しかし,本件著作物の内容は被告の研究者としての知見に基づくもので
あり,被告は,短期間のうちに英語でこれを執筆しなければならないとい
う制約があったため,英語を母国語とする原告及びCに対して執筆の協力
を依頼したにすぎず,その内容の最終的な決定権限は被告にあった。
以上によれば,原告及びCは被告の補助者として本件著作物の執筆に協
力したにすぎないというべきであるから,被告が本件著作物の著作者であ
るという推定が覆されることはない。
ウ 仮に,原告及びCが本件著作物の創作に関与したとしても,前記イの作
成経緯からすると,本件著作物は原告,被告及びCの共同著作物というべ
きであるから,本件著作物の著作者はこの3名である。
(2) 被告による著作権及び著作者人格権の侵害行為の有無(争点2)
(原告の主張)
ア 被告が,本件著作物に依拠して,これとほぼ同一の本件論文を作成した
行為は,本件著作物に係る原告の複製権を侵害するものである。
イ 被告が,IAFORに対して本件論文を提出し,これを本件ウェブサイ
ト内に原告の氏名を著作者名として表示することなく掲載させた行為は,
本件著作物に係る原告の氏名表示権を侵害するものである。
ウ 被告が,日本学術振興会に対し,「省略」と題する研究の成果として,
原告の氏名を著作者名として表示することなく本件論文を報告した行為は,
本件著作物に係る原告の氏名表示権を侵害するものである。
(被告の主張)
被告が,本件著作物に依拠し,これとほぼ同一の本件論文を作成したこと,
本件ウェブサイトに原告の氏名を表示することなく本件論文が掲載されたこ
とは認め,その余の主張はいずれも争う。
(3) 本件著作物に係る著作権の

主文(判決文より)

1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

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