損害賠償請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号令和6(ネ)10019
判決日2024-09-25
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文特許法70条2項、特許法100条1項

この事件の代理人

  • 泊昌之(原告代理人)/東京弁護士会
  • 田中昌利(被告代理人)/第一東京弁護士会

争点(判決文より)

争点は以下のとおりである。なお、原審の上記判断を受けて、当審
では、構成要件1-A及び2-Aの充足性を中心に主張立証が行われた。
(1) 被控訴人製品の本件各発明の技術的範囲の属否(争点1、2)
具体的には、本件発明1との関係で、構成要件 1-A、1-C、1-D及び
1-E、本件発明2との関係で、構成要件2-A、2-C、2-D及び2-
Eのそれぞれの充足性が争われている。
(2) 特許無効又は法定実施権の抗弁(争点3)
具体的には、①公然実施発明に係る新規性欠如(争点3-1)、②先使用
権(争点3-2)の成立、③本件各発明のサポート要件違反(争点3-3、
4)のそれぞれの有無が争われている。
(3) 控訴人の損害額(争点4)
2 争点に関する当事者双方の主張は、当審における当事者双方の補充的主張
を以下のとおり加えるほか、原判決の第2の3(7頁~)に記載のとおりで
あるから、これを引用する。
3 当審における当事者双方の補充的主張(構成要件1-A及び2-Aの充足
性に関して)
【控訴人】
(1) 構成要件1-Aの文言上、軸受に保持器が付いているかは全く問題とさ
れておらず、かえって本件明細書【0028】には保持器付軸受についても
本件発明1の実施により同段落記載の各効果が発生するとの記載があるから、
被控訴人製品は、たとえ保持器を有しているとしても、構成要件1-A(及
びこれと同一の構成である構成要件2-A)を充足すると解すべきである。
(2) 原判決は、被控訴人製品の「転動体同士の間隔を一定に保持する保持器」
について、本件発明1と異なり、複数の転動体に対する公転速度の加減を
行った上で、それに基づき転動体同士の間隔を調整することはできないと判
断したが、「転動体同士の間隔を一定に保持する保持器」などというものは
実世界では存在し得ない。転動体と保持器は完全に密着しているのではなく、
その間には隙間があるのであり、転動体も軸受が回転中はその隙間を絶えず
動くことになるから、たとえ保持器が存在したとしても、「転動体同士の間
隔が一定に保持される」ということはない。転動体と保持器との間に隙間が
ある以上、軸受中に保持器が存在したとしても、本件発明1を実施すること
によって転動体に対する公転速度の加減を行うことは可能である。
(3) 控訴人が、市販の保持器付軸受に本件発明1を実施することにより、本
件発明1の企図する効果が得られるかを確認する実験を行ったところ、摩擦
損失が低減されていることが判明しており、本件発明1の効果が生じている
ことが確認されている(甲37)。
【被控訴人ら】
(1) 構成要件の解釈に当たっては発明の作用効果が参酌されるべきであり
(特許法70条2項)、本件各発明の技術的意義(転動体同士の接触である
「競い合い」をなくす作用効果を有する。

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。