審決取消請求事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号平成28(行ケ)10098
判決日2017-04-12
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文特許法29条1項3号

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点は,審理不尽及び新規性判断の誤りである。
- 1 -
1 特許庁における手続の経緯
原告は,名称を「石碑型納骨室」とする発明につき,平成23年10月13日に
特許出願(特願2011-239592号。以下「本願」という。)をし,平成25
年7月22日,手続補正をした(乙1)。その後,原告は,平成26年7月28日付
けで拒絶理由通知を受けたため(甲5),意見書を提出するなどしたが,平成27年
2月24日付けで拒絶査定を受けた(甲6)。
原告は,同年5月28日,拒絶査定不服審判請求をし(不服2015-1123
4号。甲4),同日付けで手続補正(以下「本件補正」という。)をした(甲7)。
特許庁は,平成28年3月14日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との審
決をし,同審決謄本は,同年4月6日,原告に送達された。
2 本願発明の要旨
本件補正後の特許請求の範囲のうち請求項2,3及び5の記載は,以下のとおり
である(甲3,7,乙1。以下,請求項に係る発明を,それぞれ請求項の番号に応
じて,「本願発明2」などといい,これらを併せて「本願発明」という。また,本件
補正後の本願の明細書及び図面をまとめて「本願明細書」という。)。
「【請求項2】
個人の情報の漏えいを防ぐことを特徴とする納骨室
【請求項3】
遺族に収納・管理をしやすくしたことを特徴とする納骨室」
「【請求項5】
通気性を高めた事を特徴とする納骨室」
3 審決の理由の要点
(1) 本願発明2について
本願発明2は,以下のとおり,特開平10-227157号公報(甲1。以下
- 2 -
「刊行物1」という。)に記載された発明(以下「刊行物1発明」という。)であ
るから特許法29条1項3号に該当し,特許を受けることができないものである。
ア 刊行物1発明の認定
「墓地の所定箇所に設置される下台石と,該下台石の上に重ね上げられる上台
石,さらに,その上台石の上面略中央に立設される石碑本体からなる墓において,
石碑本体が,扉部付きの遺骨安置空間部を有するものに形成される一方,上台石
は,前記遺骨安置空間部の直下で上下に貫通する納骨道の形成されてなるものとな
し,該上台石の納骨道に通じる下台石部分に,適宜大きさの納骨棺部が形成され,
扉部は頑丈な錠前で施解錠できる構造である墓。」
イ 本願発明2と刊行物1発明との対比,判断
刊行物1発明の「墓」は,「石碑本体」が「遺骨安置空間部」を有し,「下台石部
分」に「納骨棺部」が形成されるから,本願発明2の「納骨室」に相当する。
「個人の情報の漏えいを防ぐこと」に関し,本願明細書には,「扉は部外者が開
ける事の無い様に施錠をし」(段落【0007】)と記載されるにとどまり,他に個
人の情報の漏えいを防ぐことに関連すると認められる記載はないから,刊行物1発
明の「遺骨安置空間部を

主文(判決文より)

1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。