事件の基本情報
| 裁判所 | 知的財産高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成29(ネ)10014 |
| 判決日 | 2017-07-20 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 特許法100条1項 |
| 当事者 | 被控訴人 武田テバファーマ株式会社 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点及び争点に関する当事者の主張 争点及び争点に関する当事者の主張は,次のとおり,当審における主張を補足す るほかは,原判決の第2の2及び3に記載のとおりであるから,これを引用する。 (当審における当事者の主張) 1 控訴人 本件発明の構成要件B,F及びGに係る「緩衝剤」は,次のとおり,外部から添 加された「シュウ酸またはそのアルカリ金属塩」に限られるものではなく,オキサ リプラチン水溶液が分解するときに発生する解離シュウ酸を含むものである。 本件発明は,凍結乾燥物質に関する欠点を克服したものであり,乙4発明 に係るオキサリプラチン水溶液の欠点の克服を目的とするものではない。 すなわち,本件明細書の段落【0012】~【0016】には,凍結乾燥物質を 再構築した水溶液についての記載(段落【0013】~【0016】)及び凍結乾 燥物質の製造工程が複雑で経費がかかる点を指摘した記載(段落【0012】)が あり,これを受けて,段落【0017】には「すぐに使える形態の製薬上安定なオ キサリプラチン溶液組成物を提供することによりこれらの欠点を克服することが, 本発明の目的である。」と記載されている。乙4発明の実施品は既に製薬上安定で あるから,同段落の「これらの欠点」とは,凍結乾燥物質に関する欠点を意味する。 そして,段落【0012】~【0016】に対応する段落【0030】~【00 32】のうち,段落【0030】及び【0031】の前段は,凍結乾燥物質につい ての記載であるから,これに続く段落【0031】の後段も,凍結乾燥物質につい ての記載と理解するのが自然である。同段落の後段には,「オキサリプラチンの従 来既知の水性組成物よりも製造工程中に安定である」との記載があるが,これは, 従来のオキサリプラチンの凍結乾燥物質の再構築をした水性組成物を意味するもの である。仮に,本件発明がオキサリプラチン溶液中の不純物の減少を問題としてい るのであれば,その旨の記載があるはずであるが,本件明細書にそのような記載は ない。 乙4発明は,オキサリプラチンの濃度,pH,安定性等により特定された構成で あるのに対し,本件発明は,全く新たな技術的思想に基づいてシュウ酸の量等に着 目した構成を採用したものであり,本件発明は,乙4発明の欠点を克服したもので はない。 乙4は,本件明細書に多数列挙された公報の一つにすぎず,その中から乙4発明 だけを抜き出して,本件発明は,乙4発明の欠点を克服したものと解釈することは できない。 ⑵ 構成要件B,F及びGの「緩衝剤」の意義について,本件明細書の段落 【0022】には,「緩衝剤という用語は,本明細書中で用いる場合,オキサリプ ラチン溶液を安定化し,それにより望ましくない不純物,例えばジアクオDACH プラチンおよびジアクオDACHプラチン二量体の生成
主文(判決文より)
1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。 3 この判決に対する上告及び上告受理申立てのための付加期間を30 日と定める。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。