特許権侵害差止請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号平成29(ネ)10016
判決日2017-07-27
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文特許法100条1項
当事者被控訴人 武田テバファーマ株式会社

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点及び争点に関する当事者の主張
争点及び争点に関する当事者の主張は,以下のとおり原判決を補正し,当審にお
ける補充主張を加えるほかは,原判決の第2の2及び3に記載のとおりであるから,
これを引用する。
⑴ 原判決の補正
ア 原判決10頁1行~11頁5行を,次のとおり改める。
「以下のとおり,構成要件A③の「オキサリプラティヌムの水溶液からなり」と
の文言は,水とオキサリプラティヌム以外の成分を含む製剤を排除するものでない
から,被控訴人各製品が乳糖水和物を含むとしても,水とオキサリプラティヌムを
含む以上,同構成要件を充足する。
a 本件発明では「酸性又はアルカリ性薬剤,緩衝剤もしくはその他の添
加剤を含まない」という限定は一切されていない。「~からなり」との文言は,直
前に列挙される要素を構成要素とするという意味で用いられる表現であって,その
他の要素を構成要素としないという意味で用いられる表現ではない。また,オキサ
リプラチン以外の溶質が含まれている水溶液を「オキサリプラチンの水溶液」と呼
ぶのは当業者の技術常識である。
b 被控訴人が指摘する本件明細書の記載(甲2の2頁43行~46行,
3頁2行~3行)は,この発明の目的が「有効成分が酸性またはアルカリ性薬剤,
緩衝剤もしくはその他の添加剤を含まないオキサリプラティヌム水溶液を用いるこ
と」により達成できたという事実を記載しているにすぎず,本件発明の目的がオキ
サリプラティヌムと水以外の成分を含んだ場合に達成できないことを意味するもの
ではないので,本件発明の「オキサリプラティヌム水溶液」が添加剤を含む場合を
排除しているものではない。
c 実施例はあくまで一例にすぎず,第三成分を記載した実施例がないこ
とをもって,本件発明の技術的範囲を限定することはできない。
d 被控訴人が指摘する平成16年1月21日付け意見書(乙19,以下
「本件意見書」という。)における記載については,上記bと同様,添加剤等を含
まないオキサリプラティヌム水溶液を用いることにより本件発明の目的が達成でき
たということを記載したにとどまり,本件発明の技術的範囲にオキサリプラティヌ
ムと水以外の成分が含まれることを排除するものではない。
e 被控訴人が指摘する欧州特許庁のガイドライン(乙25)は,欧州特
許庁の審査基準にすぎず,我が国における技術的範囲の解釈に適用されるものでは
ない。また,同ガイドラインは,化学化合物のクレームが化合物の構成要素の割合
を百分率で記載している場合に適用されるものであり,しかも,この場合には
「constituée par」ではなく,「constituée de」という表現が用いられている。
イ 原判決12頁11行目~13頁21行目を,次のとおり改める。
「以下のとおり,構成要件A③の「オキサリプラ

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴人の当審における追加請求を棄却する。
3 控訴費用は控訴人の負担とする。
4 この判決に対する上告及び上告受理申立てのための付加期間を30
日と定める。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。