債務不存在確認請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号平成29(ネ)10081
判決日2017-12-25
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文特許法271条
当事者控訴人 オリオン電機株式会社

この事件の代理人

争点(判決文より)

本件の争点及びこれに対する当事者の主張は,原判決6頁22行目の「デラ
ウェア」の後に「地区」を加え,後記4のとおり,当審における補充主張を付
加するほかは,原判決「事実及び理由」第2,2及び3に記載のとおりである
から,これを引用する。
4 当審における当事者の補充主張
(1) 争点1(国際裁判管轄の有無)について
(控訴人の主張)
ア 民訴法3条の3第8号に基づく管轄について
米国特許法では,米国国外での製造,販売行為が米国国内での直接侵害
をもたらす場合は,積極的誘因行為として米国特許権を侵害するとされて
いる。
別件米国訴訟の訴状においても,控訴人による積極的誘因行為を主張し
ているかのような記載があり,別件米国訴訟の対象行為が米国国内におけ
る製造,販売,販売の申出,米国への輸入に限定されているとはいえな
い。そして,控訴人は,米国国内に拠点を有しておらず,米国国内でこれ
らの行為を行うことはあり得ないのであるから,別件米国訴訟において
は,控訴人の日本国内での行為が本件米国特許権の侵害行為に該当すると
主張されていると理解することは正当である。
被控訴人は,「不法行為があった地」とは,日本法の下での不法行為が
あった地と解すべきであると主張するが,出訴裁判所に国際裁判管轄があ
ることが決まった後に当該法廷地国の準拠法ルールに基づいて準拠法が定
まることからすると,この被控訴人の主張は誤りである。
イ 民訴法3条の3第3号に基づく管轄について
消極的確認訴訟については,平成23年の民訴法改正においても国際裁
判管轄について明示的なルールが定められたとまでは言い切れず,条理に
基づいて判断する必要がある。そして,積極的給付請求訴訟について日本
の裁判所に国際裁判管轄が認められる場合,それに対応する消極的確認訴
訟について日本の裁判所に国際裁判管轄が認められたとしても,権利者の
予測可能性を別段害しているとはいえないこと,国内管轄に関するもので
あるが,消極的確認訴訟にも民訴法5条9号が適用される旨の最高裁判例
(最高裁平成16年4月8日第一小法廷決定・民集58巻4号825頁)
があることに鑑みると,積極的給付請求訴訟について民訴法3条の3各号
により日本の裁判所に国際裁判管轄が認められる場合には,それに対応す
る消極的確認訴訟についても,同号の適用又は類推適用,もしくは条理に
基づき,日本の裁判所に国際裁判管轄が認められるべきである。
そして,民訴法3条の3第3号の趣旨は,日本に生活の本拠を有しない
者に対する権利の実行を容易にすることだけに限定されるわけではないか
ら,金銭債権の被疑債務者が日本に生活の本拠を有していない場合にのみ
援用可能な規定ではない。被疑金銭債務者が,日本国内で執行可能な債務
名義を取得されないという地位を確保し,日本国内にある

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。