損害賠償請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号平成29(ネ)10072
判決日2018-01-25
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文特許法70条1項、特許法102条3項

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点及び争点に関する当事者の主張
次のとおり当審における当事者の主張を付加するほかは,原判決「事実及び
理由」の第2の3及び第3(6頁21行目から31頁25行目まで)に記載の
とおりであるから,これを引用する。
(1) 控訴人の主張(構成要件1D,1F及び2Dの充足性に関し)
ア 「送信したとき」の解釈の誤り
(ア) 原判決は,本件発明1の構成要件1D,1F及び本件発明2の構成要
件2Dの「送信したとき」の「とき」は条件を示すものと解釈したが,
同解釈は発明の属する技術分野や明細書の記載などを全て離れて,専ら
辞書的な意味において,そのような意味にも理解できるということを述
べているにすぎず,特許請求の範囲の文言解釈の手法としても結論とし
ても明らかに誤っている。
すなわち,特許法70条1項及び2項によれば,特許請求の範囲の用
語の解釈は,「明細書の記載及び図面を考慮して」行われるものとされ
ており,明細書や図面は,特許請求の範囲に記載された発明を説明する
ための文書であるから,特許請求の範囲の記載の解釈に当たってこれら
を考慮することは当然であり,特許法の大原則であるといえる。特に,
本件でその解釈が争われている「とき」のような日常的にも用いられ,
また,様々な技術分野の発明を説明する際に用いられ得るような用語に
ついては,当然のことながら,その用いられる技術分野や文脈などによ
ってその意味するところは変わり得る。このような用語の解釈に当たっ
てはなおのこと,明細書や図面,当該技術分野における通常の用法など
を考慮に入れなければ,正しい解釈を導くことはできない。
それにもかかわらず,原判決は専ら辞書的な解釈に終始し,明細書の
記載も当該技術分野における通常の用法もその考慮に入れることなく「送
信したとき」という文言を解釈しており,特許請求の範囲の解釈手法と
して明らかに誤っている。また,原判決の判示内容からしても,「とき」
という語がなぜ原判決が判示するように限定して解釈されなければなら
ないのか,その理由が全く不明である。
(イ) 以下に述べるとおり,本件各発明の属する技術分野における通常の用
法や,本件明細書等1及び2における「送信したとき」という構成が持
つ技術的意義に照らせば,これを原判決のように限定して理解するのは
誤りであって,メッセージの送信処理と関連付けして記憶する処理との
先後関係を問わず,これらが一定の幅を持った時間の中で行われていれ
ば(「同じころ」に行われていれば)「送信したとき」に当たると解釈
すべきである。
すなわち,控訴人は,本件各発明の属する情報通信の分野において「送
信したとき」という語がどのような意味に解釈されるのか,3名の専門
家(日本大学大学院知的財産研究科教授P,動視化技術研究所代表Q,
スタツィオーネ合同会社代表

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。