事件の基本情報
| 裁判所 | 知的財産高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成29(ネ)10091 |
| 判決日 | 2018-03-14 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
本件の争点は及び当事者の主張は,以下のとおり,控訴人の控訴理由とそれに対 する被控訴人らの主張を加えるほかは,原判決の「事実及び理由」欄の第2,2に 記載のとおりである。 (1) 控訴理由 ア 原判決の誤り (ア) 原判決は,「ボディ部」の存在が認められるためには,①「眼瞼縁側 表面と対向して隙間を形成する」腹部を有し,②そのような腹部が,「フック部によ り導かれる液体全ての流路を形成するに足りる十分な面積を有する形状」を有し, - 3 - ③「ボディ部の腹部から,流路の終端を意味するテール部につながる面だけを流路 として利用するものであること」が必要であるとした。 しかし,本件発明は,毛細管現象によって排液の動力を生成するフック部及びボ ディ部の腹部と,濡れによって流路を拡大し,排液効率を向上させるボディ部側面 とからなる。そして,構成要件D及びGの各文言それ自体から,全ての液体が「腹 部の眼瞼縁側表面と前記眼瞼縁又は前記医療用ドレープとの隙間」を伝わなければ ならないとまではいえず,本件特許明細書の【図5】,【図11】,【図13】,【図1 5】,【0048】,【0054】の記載からすると,「腹部の眼瞼縁側表面と前記眼瞼 縁又は前記医療用ドレープとの隙間」以外の排液器側面も流路となること,及び, これによって流路が拡大され,効率的な排液が実現されることが示されている。 また,本件発明の排液器の利用時の状況からすると,排液器と眼瞼縁の隙間の面 積は眼瞼縁の形状によって自ずと限界があり,排液作用を持つのに十分な狭さの隙 間を設けたときには,さしたる腹部面積を維持することはできず,そこに収まりき らない液体が側面に濡れ広がっていくことになる。本件発明は,排液器の側面を流 路とすることで効率的な排液を実現することを目指したものであるから,液体が排 液器の側面に回り込む現象を回避する意味はない。 さらに,本件特許明細書における「腹部」とは,ボディ部の「腹側」にあり,排 液器と眼瞼縁との間で排液のための動力を生み出す「隙間」を形成する部分を指し, 「腹部」以外の「腹側」とは,上記「隙間」から離れたボディ部の側面にあって, その形状によって大きな表面積を確保し,流路を拡大する機能を営む部分である。 本件特許明細書の【図5】の実施例に関し,「ボディ部103の腹部103aの表面 と医療用ドレープ240とで形成された隙間が毛細管として機能し」(【0029】) と記載されており,本件特許明細書の【図11】の実施例に関し,「腹部1103a と眼瞼縁233との間に形成された隙間が毛細管として機能し」(【0042】)と記 載されていること,及び,【図5】の腹部103a及び【図11】の腹部1103a が指し示す位置からすると,「腹部」とは,眼瞼縁又は医療用ドレープとの「隙間」 - 4
主文(判決文より)
1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。