事件の基本情報
| 裁判所 | 知的財産高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成30(ネ)10004 |
| 判決日 | 2018-06-05 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 特許法35条 |
| 当事者 | 控訴人 X被控訴人新日鐵住金株式会社 |
この事件の代理人
- 加茂善仁(被控訴人代理人)/第一東京弁護士会
争点(判決文より)
争点(1)(本件発明は,被控訴人との関係で職務発明に当たるか)について 〔控訴人の主張〕 控訴人は,平成14年1月,被控訴人の要望に応えて,喫水検査の立会業務(厳 正化)の基本理念を作成・提案した(甲66)。また,控訴人は,平成17年7月, 被控訴人の取締役に対し,喫水検査の立会業務(厳正化)の復活を提唱したところ, これが容れられ,被控訴人は,控訴人個人に対し,喫水検査の厳正化に係る業務等 を命じた(甲38,75の1,78の1~3)。さらに,被控訴人は,控訴人に対 し,喫水検査の厳正化・是正活動について直接指示し(甲16,75の2),控訴 人は,被控訴人に対し,直接その費用を請求した(甲18)。控訴人の名刺にも, 被控訴人の喫水検査チームの肩書が付されている(甲76)。加えて,被控訴人は, 自らの費用で,本件発明に関する広報活動もしている(甲32)。被控訴人は,完 全子会社である日鐵テクノリサーチの従業員である控訴人を,被控訴人の組織に組 み込んで,指揮命令していたものである。 一方,控訴人は,日鐵テクノリサーチにおける業務としては,喫水検査の是正管 理業務(本件発明に関する業務)に従事していない(甲19,22)。控訴人は, 日鐵テクノリサーチの係・課には属しておらず(甲23),日鐵テクノリサーチに おいて喫水検査のことを理解している者は,控訴人以外にはいなかった(甲65)。 日鐵テクノリサーチが被控訴人から委託を受けた業務は,原料の検量(検量業務) にとどまり,本件発明に関する業務(鑑定業務)は含まれていない(甲35)。本 件発明のような喫水検査の是正活動は,日鐵テクノリサーチの業務ではなく,被控 訴人の業務である。したがって,控訴人は,日鐵テクノリサーチの業務とは無関係 に,本件発明をするに至ったものである。 〔被控訴人の主張〕 被控訴人は,日鐵テクノリサーチに対し,間接又は直接に,喫水検査の是正管理 業務を委託していた。このため,被控訴人が,日鐵テクノリサーチに対し,同業務 の基本的方針ないし計画の策定や実行管理のため必要な報告を求めたり,策定され た基本的方針等に基づいて必要な指図をしたりすることはあったが,かかる指図等 は,業務委託契約の当事者間で行われたものにすぎない。これをもって,被控訴人 から控訴人個人への直接の指揮命令に当たるなどとはいえない。控訴人は,日鐵テ クノリサーチの業務について,その従業員として,被控訴人に報告等をしてきたも のである。控訴人は,控訴人個人として行動したものではなく,報告書等も日鐵テ クノリサーチ名義で作成している。被控訴人が本件発明に関する広報活動をしたこ とはない。日鐵テクノリサーチが,喫水検査の内容の妥当性について評価を受ける ために検査会社に費用を支払ったことがあるにすぎない。 また,控訴人は,日鐵テクノ
主文(判決文より)
1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。