退去強制令書発付処分取消等請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所名古屋高等裁判所
事件番号平成25(行コ)19
判決日2013-06-27
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び当事者の主張は,3,4項で当審における当事者の
主張(原審における主張を敷衍したものを含む。)を付加するほかは,原判決
「事実及び理由」欄の第2の2,3に記載のとおりであるから,これを引用す
る。
3 当審における控訴人の主張
(1) 我が国は,平成19年にがん対策基本法を制定し,「がん患者は,……身
体的苦痛や経済的負担に苦しみながらも,新たな治療方法の開発に期待を寄
せつつ,1日1日を大切に生きている」(B参議院議員の発言)との認識の
下,同基本法2条3項で基本理念を定めており,こうした生の尊厳について
は,最大限尊重されるべきものである。
しかして,控訴人は,現在,再発した胸腺がんとの戦いを強いられている
ところ,原判決は,その状況について十分に検討することなく判断したもの
であり,控訴人から「良く生きる」機会を奪う冷酷なもので,生を軽視した
といわざるを得ない。
(2) 胸腺がんは,胸腺の上皮性腫瘍で,非常に稀である。同がんは,一般的に
浸潤性であって,再発及び死亡のリスクが高い。胸腺がんの細胞は,急速に
(cid:1) (cid:3)(cid:1)
増殖し,がんが発見されたときには,通常,他の部位に転移しており,再発
率が高いため,5年生存率はⅣ期では30ないし40パーセントであり,生
涯にわたって病気のフォローアップが必要とされている。
控訴人は,平成21年8月7日,本件病院で診察を受け,同月14日,胸
腺がん(ステージⅢ)と診断された。そこで,控訴人は,同月14日から同
年9月25日まで入院し,2サイクルの化学放射線療法を受けた後,同年1
0月6日,胸腺がん摘出,右肺上葉切除,中葉部分切除等の大手術を受けた。
手術によってリンパ節転移があることが判明し,ステージは正岡Ⅳb期と診
断され,再発の可能性が高いことから,術後に放射線治療が行われた。
控訴人は,術後も,体調が思わしくなく,本件病院で通院治療を受けてき
たが,平成23年4月,CT検査で右前胸部リンパ節腫大が見つかり,平成
24年5月末のCT検査でも右胸筋下リンパ節肥大の増大等の異常が認めら
れ,同年7月のPET検査では,がん転移の疑いがあると診断された。
控訴人は,同年8月26日,咳とともに喉から大量の出血があり,最終的
に,胸腺がんが再発し,リンパ節に転移したことが確認されたため,平成2
5年1月7日から同月9日まで本件病院に入院し,抗がん剤の化学療法を開
始し,その後約4か月にわたって通院し,2週間毎に化学療法を受けている。
(3) 原判決は,本件病院で経過観察や治療を受けることが必須であるとの控訴
人の主張に対し,今後診療を受ける病院に必要な情報を引き継ぎ,患者であ
る控訴人自身も情報を提供することによって対応することが十分に可能であ
ると判示する。しかし,言語が異なること

主文(判決文より)

1 原判決を取り消す。
2 裁決行政庁が平成23年1月4日付けで控訴人に対してした出入国管理
及び難民認定法49条1項に基づく異議の申出には理由がない旨の裁決を
取り消す。
3 処分行政庁が平成23年1月4日付けで控訴人に対してした退去強制令
書発付処分を取り消す。
4 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。