懲戒免職処分取消等請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所名古屋高等裁判所
事件番号平成25(行コ)44
判決日2013-09-05
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点は同2に,争点に関する当事者双方の主張は,次項に
当審における補充主張を付加するほかは同3に,それぞれ記載のとおりである
から,これらを引用する。
4 当審における補充主張
(1) 第1審原告
ア 原判決は,「地方公務員に対する懲戒処分は,公務員として相応しくな
い非違行為がある場合に,その責任を確認し,それによって地方公共団体
における規律の維持と公務遂行秩序の維持を目的とする制裁であって,飲
酒運転撲滅という社会秩序維持を直接の目的とする制度ではないから,社
会秩序維持を過度に考慮することは懲戒処分としての趣旨を逸脱するおそ
れがある」と指摘するが,同意見は原判決の引用する最高裁昭和52年1
2月20日第三小法廷判決の立場でもあり,第1審原告も異論を述べるも
のではない。ところが,原判決は,結論において「社会秩序維持を過度に
考慮する」処分行政庁の判断を追認する誤りを犯している。
原判決も述べるとおり,懲戒処分は社会秩序維持のためのものではない。
社会秩序維持は,企業秩序あるいは自治体の公務員関係の秩序とは別で,
国家の権能である。そのためには酒気帯び運転に対する刑罰,運転免許に
対する行政処分の強化,それに伴う交通取締りなどによって実現すべきで
ある。
交通事故を伴わない本件酒気帯び運転は,原判決の指摘する別件取消訴
訟の控訴審判決が判断するとおり「免職を避けて,長期の停職処分を選択
する」ことが相当だというのが社会通念である。
交通事故を伴わない単純な酒気帯び運転については,その違法性が極め
て高いと評価することができないのは当然であって,少なくとも交通事故
に至った案件と比較して,事案に対する社会的評価に差異があることは否
定できない事実である。「交通事故が起きなければ,酒気帯び運転をして
も懲戒処分にあたって厳しい内容のものが選択されず,酒気帯び運転を防
止する効果が弱くなり,ひいては交通事故を伴う酒気帯び運転を発生させ
ることに結びつくことが懸念される」との反論が予想されるが,地方公務
員は,停職処分を受けただけでも大きな汚点を残したと考えており,長期
の停職処分とすることで懲戒処分制度の「地方公共団体における規律の維
持と公務遂行秩序の維持」の目的は十分に達成されるのである。
社会通念がどこにあるのかを論定するためには,社会の懲戒制度がどの
ような内容となっているかを重要な間接事実として参考にすることが不可
欠である。マスコミ報道により醸成された雰囲気で社会通念を判断するこ
とは避けなければならない。
この視点から各分野の制度を見ると,民間企業では交通事故を伴わない
酒気帯び運転のみで即懲戒解雇とする例はほとんどない。また,本件免職
処分時の国家公務員に対する懲戒処分の指針及び警察職員(地方公務員)
に対する懲戒処分の指針では,酒気帯び運

主文(判決文より)

1 第1審被告の控訴に基づき,原判決を次のとおり変更する。
2 第1審原告の請求をいずれも棄却する。
3 第1審原告の控訴を棄却する。
4 訴訟費用は第1,2審とも第1審原告の負担とする。

出典

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