著作権侵害差止等本訴請求,損害賠償反訴請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号平成30(ネ)10023
判決日2018-08-23
分類知的財産 / 著作
判決種別判決
判決文が挙げた条文著作権法2条3項、著作権法18条1項、著作権法19条1項、著作権法19条2項、著作権法19条3項、著作権法22条、著作権法26条1項、著作権法48条2項、著作権法112条1項、著作権法115条

この事件の代理人

争点(判決文より)

争点及び争点に対する当事者の主張
原判決7頁2行目及び同18頁2行目に「本件事件を」とあるのをいずれも
「本訴事件を」に改め,次項のとおり,当審における補充主張を追加するほか
は,原判決の該当部分(原判決6頁10行目から19頁11行目まで)に記載
のとおりであるから,これを引用する。
5 当審における補充主張
(控訴人)
(1) 争点1(差止め及び削除を求める請求は特定されているか)に関し
本訴事件に係る被侵害著作物は,被控訴人が原審で提出した原告第2準備
書面(平成29年1月30日付け)において,長さが4分を超す「映画の著
作物」から,その素材としての最大の長さが十数秒の未編集映像(映画類似
の著作物-著作権法2条3項)に変更され,これに伴い本訴事件の訴訟物も
変更された。
それにもかかわらず,被控訴人は,その後の準備書面において,既に撤回
した主張(被侵害著作物が,編集によって創作性を付与された「映画の著作
物」であるかのような主張)を事実上復活させ,控訴人が被控訴人主張の被
侵害著作物に矛盾があることを指摘したにもかかわらず,原判決は,被侵害
著作物を特定しないまま被控訴人の請求を認容した。
これでは,「差止め及び削除を求める請求」が特定されているとはいえず,
原判決の争点1に関する判断の誤りは明らかである。
(2) 争点3(本件映画に被控訴人の名称を表示していないことは,「その著作
物につきすでに著作者が表示しているところに従つて」〔著作権法19条2
項〕されたものといえるか)に関し
ア 原判決は,「著作権法19条2項は…著作者名を表示する場合に,その
表示として,既に著作者が表示した名称等を用いることを許容するにすぎ
ず,同条3項において著作者名の表示を省略できる場合が規定されている
ことからしても,著作者名を表示しないことを正当化する規定ではないと
解される。」と判断した。
しかし,氏名の不表示は当該著作物を無名のままにするという著作者の
積極的な意思表示であり,著作権法19条2項の解釈としても,「無名の
著作物については,その著作者において氏名を表示しないこととする権利
を行使したものと考えられるから,その著作物を利用するに際しては…無
名の著作物として利用すれば足りる。」と解されている。また,同条3項
は,原作品に著作者名が表示されている場合の「省略」に関する規定であ
り,同規定の存在は,同条2項を上記のように解釈することを何ら妨げる
ものではない。さらに,著作権法48条2項が,「…出所の表示に当たつ
ては…当該著作物が無名のものである場合を除き,当該著作物につき表示
されている著作者名を示さなければならない。」と規定しているのも,上
記のとおり,「無名の著作物については…無名の著作物として利用すれば
足りる。」からにほかならない。
以上によ

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。