保険金請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所名古屋高等裁判所
事件番号平成25(ネ)699
判決日2014-01-23
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び争点に関する当事者の主張
次のとおり原判決を補正し,当審における当事者の主張を付加するほかは,
原判決「事実及び理由」欄の第2の2に記載のとおりであるから,これを引用
する。
(1) 原判決の補正
原判決5頁20行目から21行目の「n-プロピルアルコ-ル(プロパノ
-ル。以下「n-プロパノ-ル」という)」を「n-プロパノ-ル」と改め
る。
(2) 当審における当事者の主張
(控訴人ら)
ア 本件免責特約にいう「酒気を帯びて(道路交通法65条1項違反または
これに相当する状態)」の解釈について
法令では,道路交通法65条1項違反の酒気帯び運転の基準値(呼気1
リットル中のアルコ-ル濃度0.15㎎以上)は,血中アルコ-ル濃度に
換算して0.30㎎/mℓであると定められている。また,血液のアルコ-
ル濃度が0.20㎎/mℓであるようなときは,法医学の経験論としても,
自動車の正常な運転に支障をきたすおそれがあるような状態ではなかった
といえる。しかるに,原判決は,法令及び法医学の知見を無視して,一方
的かつ独善的に,本件免責特約が適用される場面が血中アルコ-ル濃度に
換算して0.30㎎/mℓ以上の場合であるという主張を採用しないとして
いる。
後記のとおり,亡Bは飲酒していなかったが,仮に飲酒していたとして
も,血中アルコ-ル濃度は0.20㎎/mℓであったのであるから,亡Bの
死亡について,本件免責特約が適用されないことは明らかである。
イ 亡Bの飲酒の有無について
(ア) エタノ-ルが死後産生された場合には,必ずn-プロパノ-ルが産
生されることが科学的事実として確定しているわけではなく,n-プロ
パノ-ルの産生なしに死後に血中エタノ-ルが産生されたケ-スも少な
からず報告されていることから,n-プロパノ-ルが検出されなかった
場合には,死後血液から検出されたエタノ-ルが死後産生ではなく,生
前由来である可能性が高いとまではいえず,死後産生と生前由来のどち
らかという点において確証が得られないというのが実情である。しかる
に,原判決は,本件血液からn-プロパノ-ルが検出されなかったこと
から,ただちに本件血液中のエタノ-ルが死後産生されたものでないと
の推認が働くと判示しており,近時の法医学の各知見に相反するもので
あって,採証法則を誤ったものである。
(イ) また,本件血液の保管方法についても,平成22年12月8日の血
液採取から同月14日にA県警察科学捜査研究所に本件血液が送られて
冷蔵庫に納められるまでの間の保管方法について記録がなく,不明とさ
れているにもかかわらず,原判決は,本件血液はマニュアルに従い適切
に保管がなされた可能性が高いと認定している。しかし,複数の法医学
者らが一致して認めるとおり,本件血液から検出されたエタノ-ルは死
後産生に

主文(判決文より)

1 原判決を次のとおり変更する。
2 被控訴人は,控訴人らに対し,各自3754万5000円及びこれ
に対する平成23年5月24日から支払済みまで年6分の割合による
金員を支払え。
3 控訴人らのその余の請求をいずれも棄却する。
4 訴訟費用は,第1審,第2審を通じてこれを10分し,その1を控
訴人らの,その余を被控訴人の負担とする。
5 この判決は,第2項に限り,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。