不正競争行為差止請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号平成30(ネ)10047
判決日2018-11-22
分類知的財産 / 不正競争
判決種別判決
判決文が挙げた条文不正競争防止法2条1項1号、不正競争防止法2条1項4号、不正競争防止法2条6項

この事件の代理人

  • 寺島哲(原告代理人)/第一東京弁護士会
  • 山田宰(被告代理人)/第一東京弁護士会

争点(判決文より)

本件の争点は,(1)被控訴人による営業秘密不正取得行為の有無,(2)被控訴
人による周知表示混同惹起行為の有無,(3)控訴人の損害及びその額であるとこ
ろ,各争点に関する当事者双方の主張の要旨は,次のとおりである。
(1) 争点(1)(被控訴人による営業秘密不正取得行為の有無)について
(控訴人の主張)
ア 控訴人が保有する顧客名簿の営業秘密該当性
控訴人は,ブロードリーフのサーバーで「得意先・車両自由検索一覧表
(得意先)」との名称のフォームで管理されていた顧客情報であって,別
紙顧客情報目録記載の顧客名簿(以下「本件顧客名簿」)を保有している。
本件顧客名簿は,控訴人代表者であるAが,控訴人の前身といえる欧米
自動車工業株式会社からその営業を譲り受ける際に,多額の費用を支払っ
て買い受けた同社の顧客に関する情報に,その後,控訴人が自ら多額の広
告費等をかけて新規に開拓した顧客に関する情報を加えた,業務上有用な
ものである。
また,本件顧客名簿は,ブロードリーフのサーバーに保存され,これに
アクセスするにはパスワード等を入力する必要があった。このように,本
件顧客名簿は,秘密として管理されていた上に,公然と知られたものでは
ない。
したがって,本件顧客名簿は不正競争防止法2条6項の営業秘密に該当
する。
イ 元従業員らによる不正取得行為
(ア) 元従業員らは,平成25年6月ころ,控訴人設置のパソコンのパスワ
ードを無断で変更し,Aが本件顧客名簿にアクセスすることができない
ようにした。その上で,平成26年2月14日,同月21日,同年4月
14日,同月16日,同月19日(当審における追加主張)及び同月2
5日に,本件顧客名簿にアクセスし,その情報を印刷して持ち出した。
元従業員らは,業務遂行のためにアクセスしたにすぎないと主張する
が,同人らは,平成26年2月中旬ころには,控訴人の業務をほとんど
していなかった。仮に業務上確認する必要があったとしても,パソコン
で確認すれば足りるのであるから,複数回にわたって本件顧客名簿の全
てを印刷する必要はない。
(イ) また,元従業員らは,平成26年2月14日,本件顧客名簿をPDF
化して持ち出した。被控訴人は,情報を画面に表示するだけでPDF出
力との履歴が残ると主張するが,ブロードリーフのシステムでは,PD
F出力をすることなく,顧客情報や車両情報を画面上で閲覧できるから,
わざわざ「PDF出力」というボタンを押すという行為自体,通常業務
では考えられない不自然なものである。したがって,元従業員らがPD
F出力をしたのは,PDF化した情報を他の記録媒体等に保存するため
であったことが強く推認される。
(ウ) Aは,平成25年7月以降,控訴人の経営再建のための方策を模索し
ており,Bに対し,十分な金額が提示されるので

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。