事件の基本情報
| 裁判所 | 知的財産高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成30(行コ)10001 |
| 判決日 | 2018-12-20 |
| 分類 | 知的財産 / 特許 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 特許法184条 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点(1)(特許法184条の4第3項及び同法184条の5第2項の規定が 内国民待遇の原則に違反するか)に関し 原判決は,次のとおり,上記各規定について形式的な解釈をするにとどま り,控訴人が主張立証した実際の運用における内外人不平等の実態を考慮し ないばかりか,その形式的な解釈を正当化するためにおよそ非現実的な想定 をして判断しているから,理由不備ないし判断遺脱があるものとして是正さ れるべきである。 ア 原判決は,「法184条の5第2項は,国際特許出願について,国内書 面を国内書面提出期間内に提出しないときに補正を命じることができる旨 を定めているのであって,ここに国籍又は言語による取扱いの差異は存在 しない。」と判示する。 しかし,特許法184条の5第2項の規定自体は日本語特許出願であろ うと外国語特許出願であろうと補正命令の対象とする規定振りになってい るものの,外国語特許出願に対しては,特許法184条の4第3項の規定 によりみなし取下げとなるため,事実上,特許法184条の5第2項1号 の適用はない。日本国特許庁による特許法184条の5第2項の規定の運 用においては,日本語特許出願の出願人が日本国特許庁に対する手続を全 く行っていない場合であっても同項の規定に基づいて補正命令をするのに 対し,外国語特許出願の出願人が日本国特許庁に対する手続を全く行って いない場合,明細書等翻訳文不提出による取下擬制を理由に同項の規定に 基づく補正命令をしないものとされている。 このように,特許法184条の5第2項の文言上は,国籍又は言語によ る取扱いの差異が存在しないとしても,少なくとも言語による取扱いの差 異はその規定振りに基づき現実に存在するのであり,かかる差異を考慮し ない原判決は誤っている。 イ 原判決は,「国籍による取扱いの差異は存在しない」とする理由として, 「国際特許出願のうち,外国語特許出願については,内国民であっても外 国語特許出願を行えば,当然に明細書等翻訳文の提出が必要となるのであ り,他方,外国国民であっても日本語で国際特許出願を行えば,明細書等 翻訳文の提出は不要であり,特許法184条の4第3項において国籍によ る取扱いの差異はない。」と判示する。 しかし,かかる判示は,外国国民にとっての日本語選択と内国民にとっ ての外国語(特に英語)選択とに圧倒的な難易度の差がある(出願に際し て日本国民が外国語を用いるよりも,外国国民が日本語を用いる方が困難 を伴う)という事実を無視するものであり,現実的でない。原判決は,日 本国民が外国語で国際特許出願を行うことができることと同様に,外国国 民が日本語で国際特許出願を行うことができるという非現実的な前提に立 つものであって,日本国特許庁に日本語特許出願又は外国語特許出願とし て国内移行されるPCT出願の
主文(判決文より)
1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。 3 この判決に対する上告及び上告受理申立てのための付加期間を30日と定め る。
出典
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