手続却下処分取消請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号平成30(行コ)10004
判決日2019-03-18
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文特許法8条、特許法8条1項、特許法48条

この事件の代理人

  • 松本亮一(被告代理人)/第一東京弁護士会

争点(判決文より)

争点及び争点に関する当事者の主張
次のとおり改め,後記4のとおり,当審における当事者の主張を補充するほ
かは,原判決「事実及び理由」第2の2(原判決4頁12行目から9頁11行
目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。
(1) 原判決5頁20行目から6頁6行目までを削る。
(2) 原判決7頁25行目の「本件国内事務所」から26行目の「できない。」
までを削る。
4 当審における当事者の補充主張
[控訴人の主張]
(1) 特許法48条の3第5項所定の「正当な理由」の判断基準
特許法48条の3第5項は,世界知的所有権機関(WIPO)において,
各国により異なる国内出願手続の統一等により出願人の負担軽減を図ること,
及び,一定の要件の下,手続期間の徒過による特許権の失効を回復すること
で出願人等の救済を図ること等を目的とする特許法条約の採択を受けて規定
された。そして,我が国の特許法においては,手続期間を徒過した場合の救
済を認める要件として「Due Care(いわゆる『相当な注意』)を払っていた」
を採用した上で,「その責めに帰することができない理由」に比して緩やか
な要件である「正当な理由があるとき」と定めることとされた。
したがって,同項が規定する「正当な理由がある」,すなわち,「特段の
事情のない限り,特許出願人として,相当な注意を尽くしていたにもかかわ
らず,出願審査請求期間の徒過に至ったとき」に当たるかどうかの判断は,
出願人に帰責性がない場合に限らず,柔軟かつ緩やかにされるべきである。
(2) 控訴人には特許法48条の3第5項所定の「正当な理由」があること
ア 「正当な理由」の有無の判断において,本件国内事務所と,控訴人及び
本件現地事務所とは区別されるべきであること
後記イのとおり,本件期間の徒過は,控訴人及び本件現地事務所として
は到底予測し得ない,本件国内事務所における特別の事情により生じたも
のである。
したがって,控訴人及び本件現地事務所が「相当の注意」を尽くしたこ
と,又は少なくとも「特段の事情」が存することについては,本件国内事
務所と同列に判断されるべきではなく,別個の判断がされるべきである。
イ 本件国内事務所における特別の事情
(ア) 特許管理人弁理士に通常期待される対応を得られなかったこと
特許法8条1項により,在外者たる特許出願人は,自ら特許出願に係
る手続等を行うことが法律上制限されており,特許管理人による以外に,
特許出願に係る手続等を行う術はない。このように,在外者には重大な
制限が課されていること,特許管理人は特許出願に関する手続等につい
て包括的な代理権限を有するとされていることを踏まえると,特許管理
人は,自己が管理する特許出願について,包括的な管理責任を負ってい
る。
また,特許管理人として弁理士が選任さ

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。
3 この判決に対する上告及び上告受理申立てのための付加期間を30日と
定める。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。