特許権侵害行為差止請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号平成31(ネ)10005
分類知的財産 / 特許
判決種別判決
判決文が挙げた条文特許法100条1項
当事者控訴人 HOYATechnosurgical株式会社/被控訴人 オリンパステルモバイオマテリアル株式会社

この事件の代理人

  • 北原潤一(控訴人代理人)/第一東京弁護士会
  • 古城春実(被控訴人代理人)/第二東京弁護士会

争点(判決文より)

争点及び争点に関する当事者の主張
本件における当事者の主張は,後記5のとおり当審における補充主張を付
加するほかは,原判決「事実及び理由」の第2の3(原判決7頁6行目から
同頁14行目まで)及び第3(原判決7頁15行目から22頁2行目まで)
に記載のとおりであるから,これを引用する(ただし,原判決18頁19行
目の「本件発明1」を「本件発明」と改める。)。
5 当審における当事者の補充主張
⑴ 争点1-3(被告製品が構成要件Eを充足するか)について
(被控訴人の主張)
ア 構成要件Eにいう「係合」とは,係り合うこと,具体的には,2対の
揺動部材が同時に開くように係り合うことを意味し,そのように係り合
うことを可能とする部分が「係合部」である。「係合部」は,特定の形
状のものに限定されず,また,いずれかの揺動部材と一体形成されるこ
とも構成要件Eにおいて規定されていない。
イ 控訴人は,特許請求の範囲記載の文言,本件明細書における「突起9」
の態様,本件明細書で「部」と「部材」を区別していることなどを理由
として,「係合部」は揺動部材の一部を構成するなどと主張する。
しかしながら,構成要件Eには,「係合部」が「前記2対の揺動部材
の一方」の一部分として設けられるとの限定は存在しない。「設ける」
とは,「設置する」ことを意味し,対象物の一部分であることまでは意
味しないから,「係合部」が揺動部材の一方の一部を構成する必要はな
いと解するのが自然である。
また,本件明細書の「第2対の揺動部材3a,3bには…突起(係合
部)9が備えられている。」との記載(段落【0015】)は,あくま
でも本件発明の一実施形態を示したものにすぎない。
更に,本件明細書に,本件発明の一形態として,「楔形部」,「凹
部」,「ヒンジ部」が揺動部材の一部分である形態が記載されているこ
とは,「部」がすべて「部材」(「揺動部材」)の一部分でなければな
らないことの根拠とはならない。また,本件特許請求の範囲における
「2対の揺動部材」の記載は,当該2対の「揺動部材」が「部材」とし
て別個のものであることを示しているのに対し,「係合部」は,「揺動
部材」とは次元の異なる構成要素として規定されているから,本件特許
請求の範囲における「揺動部材」と「係合部」との記載そのものからは,
相互の関係は何ら導かれない。
したがって,構成要件Eは,「係合部」がいずれかの揺動部材と一体
形成されることを規定するものではない。
ウ また,控訴人は請求項4の記載を参照して請求項1においても「係合
部」がいずれの揺動部材に設けられているか区別できることを要するな
どと主張する。しかしながら,請求項4は,請求項3の限定を前提に,
「内側に係合する」「係合部」が設けられている側とそうでない側を区
別する記載となっているだけ

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。