競業差止請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所知的財産高等裁判所
事件番号平成31(ネ)10016
分類知的財産 / 不正競争
判決種別判決
判決文が挙げた条文不正競争防止法2条1項4号
当事者控訴人 株式会社リリ

この事件の代理人

  • 井口敦(被控訴人代理人)/第一東京弁護士会

争点(判決文より)

争点及び争点に関する当事者の主張
本件における当事者の主張は,後記5のとおり当審における補充主張を付加
するほかは,原判決「事実及び理由」第2の3(原判決3頁16行目から6頁
18行目まで)に記載のとおりであるから,これを引用する。
5 当審における補充主張
(控訴人の主張)
(1) 合意の成否及び効力について
ア 控訴人の就業規則は,競業制限の具体的範囲を「誓約書・確認書」にお
いて定めると規定して,「誓約・確認書」において具体的な競業制限の範
囲を定めている。また,「誓約・確認書」を作成するに際し,被控訴人が
付記した文言については,控訴人が,「この文言は,当社が指定した書式
ではないので,無効。会社記載文言のみ有効。また,既に入社時誓約書に
記載もあるので,そちらの誓約書を根拠とすることも可能。」と記載し,
その説明を聴いた被控訴人は,「わかりました」と述べたものであるから,
「誓約・確認書」の不動文字のとおりの合意が成立したものである。
イ 控訴人と被控訴人との間の合意は,退職後2年間,国分寺市内において,
アイリスト業務に従事することを禁止するという限度において有効である。
(2) 合意に反する行為について
控訴人が開発した美容液の効果を示した画像,控訴人が購入した広告用の
画像,ボリュームラッシュとアイシャンプーの技術,控訴人が行っているサ
ービスやメニューは,営業秘密として指定したものであり,入社時合意にお
ける「秘密情報」に該当する。また,被控訴人による,原告店舗に関する発
言は,不正競争防止法上の信用毀損行為に該当する。
(3) 不正競争防止法2条1項4号,5号又は8号違反について
施術履歴は,不正競争防止法上の秘密管理性,有用性及び非公知性を満た
す。これは,被控訴人が,施術履歴を入手する際にこれが営業秘密であるこ
とを強く認識していたことからも明らかであるし,控訴人が講じる多くの秘
密管理措置(客観的認識を可能とする措置,顧客カルテファイルへのマル秘
表示,パスワード等によるアクセス制限,防犯カメラの設置,秘密管理体制
組織の構築・整備,就業規則や誓約書による営業秘密の指定,営業秘密の周
知・啓発等),控訴人の開店から現在に至るまで顧客情報を含む施術履歴が
外部に漏えいしたことがないことを考慮すれば,顧客情報を含む施術履歴の
秘密管理性が認められるのは明らかである。
私用のスマートフォンによって顧客カルテを投稿することがあったとして
も,この行為は,営業上の必要に基づくものである。そして,各店舗の店長
からは,顧客カルテデータの削除・廃棄を随時従業員に指示していたのであ
り,退職時には「誓約・確認書」を作成しているのであるから,秘密管理性
がないということにはならない。
(被控訴人の主張)
(1) 合意の成否及び効力について
入社時合意

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。