事件の基本情報
| 裁判所 | 名古屋高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成27(行コ)27 |
| 判決日 | 2016-02-05 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及び当事者の主張は,3のとおり控訴人ら の当審における補充主張を加えるほかは,原判決の「事実及び理由」中の「第 2 事案の概要等」の2ないし4に記載するとおりであるから,これを引用す る(ただし,原判決の15頁9行目の「EMA」を「EMEA」に改める。)。 3 控訴人らの当審における補充主張 (1) 副作用起因性の証明度等について ア 医薬品副作用に関する立証は,極めて高度な医学的知見が要求され,立 証対象となる因果関係自体,多種多様な薬剤の作用の全てについて科学的 に解明されているわけではないことから,その立証は事実上極めて困難で ある。また,医薬品には一定の確率で不可避的に有害な副作用を伴うとい う特殊性があり,当該薬剤の承認過程や投薬の判断をした医師に何らの過 誤がなくとも,副作用被害を受けてしまう患者が必ず生じるのであり,こ れを救済する必要がある。このような立証の困難性や患者救済の必要性か ら,医薬品副作用被害救済基金法案が策定され,国会で審議されることに なった。国会においては,因果関係の認定に当たっては「疑わしきは救済 する」運用とすべきとの政府答弁がされており,こうした議論を経て立法 された同法は,法文上,「医薬品の副作用による健康被害の迅速な救済を 図ることを目的とする。」とされ,救済対象被害の判定においては,被害 者が不利にならないように特に留意する旨の付帯決議もされた。このよう な趣旨については,現行の機構法にも承継されている。したがって,医薬 品副作用被害救済制度が創設されたのは,医薬品の投与・服用と副作用の 発生との因果関係の証明が困難であることから,同被害者のその立証の負 担を軽減し,被害を迅速に救済するためにほかならず,現行の同制度の目 的も同様である。 また,公的救済制度は,被害救済を徹底するため,不法行為の成立を要 件とせずにある活動から生じた損害を当然に補填する制度である。したが って,公的救済制度に位置づけられる医薬品副作用被害救済制度の因果関 係の立証について,不法行為と同じ取扱いをする必然性はないのであり, むしろ,法の趣旨である迅速な法定補償を実施するために,立証の負担を 緩和すべき要請があると解すべきである。 以上のとおり,医薬品副作用被害救済制度の立法経緯,機構法の目的や 趣旨等からすると,同制度においては,因果関係の証明度が緩和されてい ると解するのが相当であり,高度の蓋然性の証明は要しないと解すべきで ある。 イ 医薬品の製造販売業者に関する薬事法の規定からすると,現在の法制度 において,同製造販売業者は,当該医薬品の危険性(副作用)について最 も高度な情報を有している。そのような製造販売業者が,一般用医薬品を 使用する消費者や医療用薬品の投与を受ける患者の安全を確保するために 作成した添付文書(能書)
主文(判決文より)
1 本件控訴をいずれも棄却する。 2 控訴費用は控訴人らの負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。