事件の基本情報
| 裁判所 | 名古屋高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成27(行コ)38 |
| 判決日 | 2016-03-08 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 所得税法26条1項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
本件の争点は,本件各LPSを組成して行われた本 件各不動産事業から生じた損失をもって損益通算をした亡aら3名の各所得 税の確定申告について,国税通則法65条4項の定める「正当な理由があると 認められる」場合に当たるか否かであり,これに関する当事者の主張は,次項 以下のとおりである。 3 被控訴人らの主張 (1) 法解釈が確定しておらず,課税庁がその取扱いを周知していない状況下に おいても,納税者は毎年1回確定申告をせざるを得ないことからすれば,そ の間にした納税者の申告に相応の根拠があり,一般的な取扱いとも合致して いる限りは,それが結果的に誤りであると判断されたとしても,納税者に過 少申告加算税を課すことは不当又は酷であるといえる。 そうすると,本件においても,亡aら3名が平成13年分から平成15年 分までの所得税の確定申告を行った当時(平成14年3月頃から平成16年 3月頃までの間。以下「本件各申告当時」という。),①法令の解釈が確定し ていたか否か,②納税者のした申告がその当時の一般的な取扱いに合致して いたか否か,という観点から「正当な理由」の有無が判断されるべきである。 (2) 本件各申告当時,米国のLPSは我が国の法人に該当しないという理解は, 私法や米国の法制度について一般的に参照される主要な文献に多数現れてお り,従前から,民商法や英米法の専門家における常識とされてきた(甲A全 4・64頁,14・59頁,38・202頁・624頁)。上記のような私法 上の理解を受けて,租税法の専門家の中でも,米国のLPSは日本の租税法 上「法人」には該当しないという理解が一般的であった(甲A全154・2 79頁,155・432頁)。 以上に述べたような理解を前提として,財務省(当時の大蔵省)主税局が 作成し,政府税制調査会法人課税小委員会に提出した討議用資料の記載内容 からは,財務省(当時の大蔵省)が,米国のLPSは「法人」に該当しない と解釈していたことが看取できる(甲A全26・48頁)。そして,これを受 けて取りまとめられた,政府税制調査会作成の平成12年7月14日付け中 期答申においては,外国のパートナーシップのような事業体がその外国にお いて法人とされていないため,現状では我が国で法人課税の対象とならない という問題意識が表明されており,LPSのような外国事業体を我が国の租 税法上「法人」として扱うことはできないという解釈が当然の前提とされて いたことが強くうかがわれる(甲A全25・343~344頁)。 平成10年の立法により認められるようになった投資事業有限責任組合は, 米国のLPSをモデルに立案されたものであり,我が国の課税上,構成員課 税を受ける取扱いとなっている(甲A全10の2・23頁)。かかる立法がさ れていることも,租税法の立法当局を含む政
主文(判決文より)
1 原判決中,各過少申告加算税賦課決定処分に係る部分を取り消す。 2 被控訴人らの請求をいずれも棄却する。 3 第1項の部分に関する訴訟の総費用は,被控訴人らの負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。