難民不認定処分取消等請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所名古屋高等裁判所
事件番号平成27(行コ)71
判決日2016-07-13
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び争点に関する当事者の主張は,以下のとおり付加
するほかは,原判決「事実及び理由」の「第2 事案の概要」の2ないし4の
とおりであるから,これを引用する。
(1) 原判決5頁23行目末尾の次に,行を改めて次のとおり加える。
「 控訴人がネパールを出国し,本邦に入国した平成12年(2000年)
当時,ネパールの政情は,マオイストによる警察への攻撃もあるなど,非
常に不安定で,マオイストは,民間人も標的にして,殺す,負傷させる,
誘拐するなどの行為を続けており,劣悪な人権状況にあった。
本件難民不認定処分がされた平成23年(2011年)当時も,ネパ
ール国内では,対立する政治勢力の和平プロセスや憲法制定会議の停滞
が続き,同年11月には制憲議会の6か月延長が決定されるなど,政情
が安定することはなく,実力行使等の可能性もある緊張状態で,ネパー
ル政府は,有罪判決を受けた軍人やマオイストの逮捕さえ実行できてお
らず,マオイストやマオイストに関係する武装組織等により,年間を通
じて,民間人に対する暴力,恐喝,脅迫が行われるなど,劣悪な人権状
況にあった。」
(2) 原判決7頁24行目の「不認定処分当時,」の次に「ネパール政府は,
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統治能力を失っておらず,実質的に無政府状態となっているような状況に
はなく,マオイストないしAの違法行為に対して取締り等を行ってお
り,」を加える。
(3) 原判決7頁25行目末尾の次に「マオイスト及びAの違法行為に対し,
ネパール政府が効果的に対処し切れていないだけでは,国籍国の保護を受
けることができないとはいえないところ,当時のネパールの一般情勢にお
いて,国家が私人の違法行為を完全に抑止することまでは不可能であったこ
とは明らかであるが,特定の個人又は集団が意図的に監視されて生命の危険
にさらされているとか,統治能力を失うまでに政府の機能が破綻していたも
のではなく,警察等が効果的に対処しきれていないなど国の治安が徹底され
ていないというものにすぎないから,国家による直接的・間接的な作用によ
って迫害を受けるおそれがあるとはいえないし,『国籍国の保護を受けるこ
とができない』ともいえない。」を加える。

主文(判決文より)

1 原判決を取り消す。
2 法務大臣が平成23年11月14日付けで控訴人に対してした難民の認定を
しない処分を取り消す。
3 名古屋入国管理局長が平成23年11月21日付けで控訴人に対してした出
入国管理及び難民認定法61条の2の2第2項による在留特別許可をしない旨
の処分が無効であることを確認する。
4 名古屋入国管理局主任審査官が平成23年12月13日付けで控訴人に対し
てした退去強制令書発付処分が無効であることを確認する。
5 訴訟費用は第1,2審とも被控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。