移送却下決定に対する即時抗告棄却決定に対する再抗告事件

事件の基本情報

裁判所名古屋高等裁判所
事件番号平成28(ラ)223
判決日2016-08-02
分類高裁
判決種別決定

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点は,現時点ではこの点のみ
である。
(3) 再抗告人は,平成28年1月27日,本件契約19条は,本件契約に関し
て紛争が生じた場合には,再抗告人の住所地を管轄する裁判所を第1審の専
属的合意管轄裁判所とする旨を定めているとして,民事訴訟法(以下「法」
という。)16条1項に基づき,基本事件を再抗告人の本店所在地を管轄する
広島簡易裁判所に移送するよう申し立てた。しかし,同年2月19日,原々
審は同申立てを却下した。
(4) そこで,再抗告人は即時抗告をしたが,原審は,同年6月9日,①当事者
間で専属的合意管轄が成立している場合であっても,受訴裁判所が法定管轄
を有し,かつ,当事者及び尋問を受けるべき証人の住所その他の事情を考慮
して,訴訟の著しい遅滞を避けるために,当該受訴裁判所で審理する必要が
あると認められるときは,法16条2項,17条及び20条1項の趣旨を類
推して,当該受訴裁判所において審理することが許されるとした上で,②上
記(2)の争点に照らせば,基本事件においては,岐阜市内の会社であると相手
方が主張する訴外A及び訴外B株式会社の担当者の尋問が必要になることが
十分予想されること,相手方の本店は愛知県刈谷市にあり,安城簡易裁判所
の管轄に属すること,他方,再抗告人は,広島市内に在住する二人以上の関
係者を証人として予定していると主張するが,当該人証の具体的必要性を認
めるに足りる資料はなく,広島市は再抗告人の本店所在地であるにとどまる
ことから,受訴裁判所である安城簡易裁判所において審理することが訴訟の
著しい遅滞を避けるために必要と認められるとして,再抗告人の即時抗告を
棄却した。
2 以上を前提に検討するに,再抗告人は,契約当事者が管轄裁判所について合
意をしているときは,当該管轄合意に一定の重みが認められるべきであるから,
受訴裁判所で審理をすることが許されるためには,訴訟の著しい遅滞を避ける
ために必要と認められる場合というだけでは足りず,当該受訴裁判所で審理す
る「特段の必要性」が認められる必要があり,単なる必要性で足りるとした原
決定には,法17条の法令解釈を誤った違法があると主張する。
しかしながら,法17条は,当事者が専属的管轄合意をしている場合にも適
用されるのであるから(法20条1項),専属的管轄合意があっても,訴訟の著
しい遅滞を避け,又は当事者間の衡平を図るため必要があると認められるとき
は,当事者の合意により当該訴訟につき専属管轄を有する裁判所(以下「専属
的合意管轄裁判所」という。)に提起された訴訟を,専属的管轄合意がなければ
当該訴訟につき管轄を有すべき他の裁判所(以下「法定管轄裁判所」という。)
に移送することが許される。この趣旨に照らせば,これとは逆の場合,すなわ
ち,法定管轄裁判所に訴えが提起され,専属的

主文(判決文より)

本件再抗告を棄却する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。