銃砲所持許可取消処分取消請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所名古屋高等裁判所
事件番号平成28(行コ)58
判決日2017-01-20
分類高裁
判決種別判決
判決文が挙げた条文刑法35条、刑法62条、刑法62条1項、民法720条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点及び当事者の主張
(1) 本件の争点及び当事者の主張は,次の(2)において補正するほかは,原判決
の「事実及び理由」の「第2 事案の概要」の4に記載のとおりであるから,
これを引用する。
(2) 原判決の補正
ア 原判決6頁5行目末尾の次に,行を改め次のとおり加える。
「被控訴人は,刑法62条1項は行政処分の要件には適用されないと主張
するが,刑法の規定のうち,違法性阻却事由に関する刑法35条ないし37
条の規定は,行政処分の要件についても適用され得る。刑法における共犯理
論は,前記違法性の理論と並ぶ代表的な理論にして,通有性の高い理論とい
える。刑法の規定のうち,幇助犯に関する刑法62条のみが,行政処分の要
件について適用されないと解することはできない。」
イ 原判決6頁17行目の「妥当である。」の次に,次のとおり加える。
「他人が射撃場以外の場所で銃砲を発射する行為を容易にしたというよ
うな場合,当該幇助者には,遵法意識の点で,銃砲を発射した他人と変わら
ない危険性がある以上,当該幇助者に対する許可を取り消して,原則どおり,
銃砲を所持させない状態に戻す必要がある,というのが,銃刀法の趣旨であ
るとみるべきである。」
ウ 原判決8頁11行目末尾の次に,次のとおり加える。
「控訴人は,刑法35条ないし37条が行政処分の要件を定める規定に適
用されるから,刑法62条も適用されると主張する。しかし,刑法35条な
いし37条は,犯罪の成否及び刑罰について定めているまでであり,これら
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が行政処分の要件を定める規定に適用されるとの学説も判例も見当たらな
い。刑法62条は行政処分の要件を定める規定には適用されない。」
エ 原判決9頁23行目末尾の次に,行を改め次のとおり加える。
「キ 控訴人は,銃刀法の趣旨から,幇助者に対する許可も取り消す必要
があると主張しているが,銃刀法の各条文の解釈は,抽象的な論理だけで決
まるわけではない。とりわけ,取消処分は私人の自由・権利に関わることで
あるから,法律による行政(法律の留保)の原理に基づき,具体的な禁止制
限規定及びその違反を不利益処分の根拠とすることができる旨の規定の存
在が不可欠である。ところが,銃刀法10条2項違反の行為を助けることを
禁止制限する規定も,当該行為をした者に対して銃砲所持許可取消処分を行
い得ることを定める根拠規定も存在しない。よって,被控訴人に対する本件
取消処分は違法である。」

主文(判決文より)

1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。