損害賠償請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所名古屋高等裁判所
事件番号平成28(ネ)796
判決日2017-09-14
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文国家賠償法1条1項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点
(1) 本件訴えの適法性(本案前の主張)(争点1)
(2) 本件処分による控訴人の社会的評価の低下の有無(争点2)
(3) 本件処分の公共性,公益目的性及び真実性又は真実相当性の有無
(争点3)
(4) 正当職務行為の主張の許否(争点4)
(5) 信義則違反の有無(争点5)
(6) 損害の発生及びその額(争点6)
5 争点に関する当事者の主張
(1) 争点1(本件訴えの適法性)
(被控訴人の主張)
地方議会は高度に自律性・自主性を有する団体なのであるから,地
方議会の内部的事項については原則として司法審査が及ばないと考え
るのが相当である。昭和35年10月19日の最高裁判決において,
懲戒処分であっても除名処分以外の処分については司法審査の対象と
ならないと判示しているのであるから,懲戒処分にも当たらない事実
行為である厳重注意のような行為は司法審査の対象とならない。
(控訴人の主張)
控訴人は,本件処分の無効や取消しを主張するものではなく,控訴
人の人格権としての名誉が毀損されたとの主張をしているにすぎない
から,本件請求や本件通知書記載の事実の真実性を司法審査の対象と
しても議会の自律権を侵害するものとは認められない。
(2) 争点2(本件処分による控訴人の社会的評価の低下の有無)
(控訴人の主張)
ア 控訴人に本件視察旅行の出席義務はなく,正当な欠席理由書を提
出したにもかかわらずなされた本件処分は違法であり,控訴人の社
会的評価を低下させるものである。
イ 議会運営委員会は,本件通知書を作成するに当たって,法的に意
味のない「処分」という言葉を付した。社会一般には,「処分」と
は,処罰の意味合いを持つとされているから,「処分」という言葉
を付すこと自体が,議会が控訴人を処罰したとの意味を与えるもの
であって,控訴人の社会的評価を低下させるものである。
ウ A議長は,平成27年2月4日,新聞記者の多数いる議長室で,
本件通知書を読み上げ,これを控訴人に交付することで,控訴人に
本件処分を通知するとともに,本件処分の事実を公表した。
(被控訴人の主張)
ア 控訴人は,自身の政治的主張に基づいて本件視察旅行を欠席した
のであり,その欠席理由も新聞記事において適切に報道されている
ところ,一般の読者の普通の注意と読み方をすれば,議会の考えと
控訴人の考えが対立していることを示すにすぎず,これによって控
訴人の議員活動の誤りが示されたとはいえないから,控訴人の社会
的評価は何ら低下していない。
イ 通常の一般人は,「処分」とは,取扱いを決めて物事の決まりを
付けることという意味と捉えており,その関心事は「処分」という
言葉の有無ではなく,どのような問題につきどのような決まりを付
けたのかということにある。したがって,厳重注意に「処分」とい
う言葉が付され

主文(判決文より)

1 原判決を取り消す。
2 被控訴人は,控訴人に対し,50万円及びこれに対する平成27
年2月4日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 控訴人のその余の請求を棄却する。
4 訴訟費用は,第1,2審を通じてこれを10分し,その9を控訴
人の負担とし,その余は被控訴人の負担とする。
5 この判決は,第2項に限り,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。