覚せい剤取締法違反等

事件の基本情報

裁判所名古屋高等裁判所 金沢支部 刑事第2部
事件番号平成29(う)7
判決日2017-09-26
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点とし
て整理された上,裁判員裁判として審理された。
3 原判決は,本件GPS捜査に関する事実経過等を認定した上,同捜査は強制
処分に該当せず,任意捜査と解するのが相当であるとし,少なくとも令状主義
の精神を没却するような重大な違法があったとはいえないとした。その上で,
原判決は,証拠の標目欄に掲げた証拠を含む検察官請求証拠について個別に検
討し,いずれも本件GPS捜査との関連性は希薄であり,仮に同捜査に令状主
義の精神を没却するような重大な違法があったとしても,これらの証拠能力は
否定されないというべきであるとして,原判示の各事実を認定した。
第2 当裁判所の判断
1 そこで,記録を調査して検討すると,原判決のうち,本件GPS捜査が強制
処分に当たらないとした点は是認することができないが,原判決挙示の各証拠
等につき,同捜査との関連性が希薄であるとしてその証拠能力を認めた点は,
結論として相当であり,これらを採用して取り調べた原審の訴訟手続に法令違
反は認められない。以下,所論に鑑み,記録より補足して説明する。
2 本件GPS捜査に関する主張について
(1) 被告人に対する本件GPS捜査の実施経緯やその捜査状況等は,原判決が
「証拠能力についての補足説明」の2(1)ないし(6)で認定したとおりである
が,記録と併せれば,概要として次のとおり認められる。
ア 福井県警察本部組織犯罪対策課の警察官ら(以下,所属は同じ)は,暴
力団員であった被告人が,所属組織の関係者と共に覚せい剤を密売してい
る旨の情報等を基に,平成25年(以下,後記3(4)ウまで,同年中の出来
事は年数記載を省略)3月下旬から被告人に対する捜査を本格的に開始し
た。
警察官らは,覚せい剤取引の現認等のため,捜査車両により被告人使用
車両に対する尾行捜査を行っていたが,被告人が尾行を警戒していたなど
の事情から,捜査主任官においてGPS捜査を行うことを決め,4月2日
頃より本件GPS捜査を開始した。なお,本件GPS捜査は,事前に検察
官に相談することなく,無令状で行われ,その実施中も捜査状況を検察官
に報告するなどの措置は取られなかった。
イ 本件GPS捜査は,被告人使用車両(マツダ・デミオ及びスズキ・スイ
フト)の後部底面に,磁石付きケースに入れたGPS端末機(J株式会社
が提供する位置情報提供サービス用のK)をひそかに取り付け,各捜査員
が所持する携帯電話機を使って契約者専用ホームページにアクセスし,そ
の位置情報を検索,取得するというものであり,立ち回り先に被告人使用
車両がなかった場合や,尾行中に同車を失尾した場合に同端末機の位置情
報を取得していた。そして,取得した位置情報は,無線や携帯電話機を使
うなどして捜査員間で共有し,尾行捜査の補助手段として用いていた。
ウ 前記GPS端末

主文(判決文より)

本件控訴を棄却する。
当審における未決勾留日数中230日を原判決の懲役刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。