事件の基本情報
| 裁判所 | 名古屋高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成28(ネ)827 |
| 判決日 | 2017-09-29 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及び当事者の主張は,次項以下に当審における控訴人の主張 及び同主張に対する被控訴人の答弁を付加するほかは,原判決「事実及び理 由」欄第2の2ないし4に記載のとおりであるから,これを引用する。 3 当審における控訴人の主張 (1) 大学院生に対する退学処分の適法性に関する判断基準について 大学院は,深い学識及び卓越した能力を培うことを目的とする専門的研究 機関であり,A大学医学部は,学生に強い倫理観に基づく判断力の基盤の上 に他者の利益のために人生を捧げる献身性を求めており,被控訴人も,当然 この理念を前提にして本件大学院に入学したものである。したがって,大学 が退学処分を選択する際には,予め本人に反省を促すために指導を行うこと が教育上必要であるとしても,その指導をどのような方針でどの程度行うか は,各大学の教育方針に基づく具体的かつ専門的・自律的判断に委ねるべき である。よって,大学における学生に対する懲戒処分の適法性を判断するに 当たっては,当該処分事案の諸事情を総合的に検討し,社会的合理性を認め ることができないものでない限り,当該処分は,懲戒権者の裁量権の範囲内 にあるものとして,その効力を否定することはできないと解すべきであり, 更に懲戒処分の対象となる学生が大学院生の場合,大学生の場合に比べ学校 当局の教育理念に基づく専門的・自律的判断をより尊重すべきであるから, 処分に際しての大学院の裁量も大学に比してより広く認められるべきである。 (2) 被控訴人の行為により,本件研究室の運営が極めて困難になったこと 原判決も認める「被控訴人がB教授に対してCに関する偏見に満ちた言動 を繰り返し行い,本件研究室の運営に支障を来すまでの執ようさで本件派遣 契約の解除を求めたこと」も,本件退学処分の理由であるが,被控訴人の行 為は,B教授に対する個人攻撃も,B教授に対してされたCに関する偏見に 満ちた言動も,いずれも本件研究室の運営に支障を来すまでの執ような行為 であり,これらの行為は,平行してB教授に対して行われたものであって, その結果,B教授は心因反応による抑うつ状態となり,本件緊急保護救済措 置が執られるなどの事態が発生し,そのことが本件研究室の運営に大きな影 響を与えたものである。 (3) 本件ひぼう中傷行為等は,本件退学処分の相当性を基礎付ける事情に当 たること 本件ひぼう中傷行為等が,本件退学処分の理由となっていなかったとして も,控訴人は,次のとおり,本件退学処分当時,本件ひぼう中傷行為等を認 識しており,本件退学処分の理由とされる行為と密接な関連があり,実質的 には同一性を有するものであるから,本件退学処分の有効性を基礎付ける事 由と解すべきである。 ア 被控訴人は,指導教授であるB教授に対して,Cの本件研究室への派遣 を中止するように執よ
主文(判決文より)
1 原判決中控訴人敗訴部分を取り消す。 2 上記取消しに係る被控訴人の請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は,第1,2審を通じ被控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。