事件の基本情報
| 裁判所 | 名古屋高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成29(行コ)42 |
| 判決日 | 2017-10-20 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点(1))について (ア) 本件酒気帯び運転の性質・態様について 1審原告の検挙時におけるアルコール濃度は呼気1リットル当たり0. 29ミリグラムであって,懲戒免職処分が違法であるとされた類似事案 の裁判例におけるアルコール濃度が呼気1リットル当たり0.5ミリグ ラムであったことと比較すると,本件酒気帯び運転の性質・態様が極め て悪質とまではいえず,むしろ比較的軽微との評価もあり得るところで あるため,本件酒気帯び運転の悪質性を1審原告に不利にしんしゃくす べき事情として重視することは不当である。 (イ) 公務への支障について 1審原告が夜間勤務を他の職員と交代したのは3日にすぎず,1審原 告が夜間勤務及び休日勤務に従事するのは1か月のうちに2,3日程度 しかなく,また,1審原告は一現業労務職員であったため,本件酒気帯 び運転の事実が新聞で公表された後も,公務を阻害するような動揺が他 の職員間に生じるようなことはなかったから,本件酒気帯び運転による 公務への支障は僅かなものであったのであり,それを1審原告に不利に しんしゃくすべき事情として重視することは不当である。 (ウ) 市政等の信用の失墜 1審原告は一現業労務職員にすぎなかったものであり,管理職や特に 高度な遵法精神を求められる職責にある者が酒気帯び運転を行った場合 に比較すれば,本件酒気帯び運転による市政等に対する信用の失墜の程 度は自ずと低いものであったといえる。したがって,市政等の信用の失 墜を1審原告に不利にしんしゃくすべき事情として重視することは不当 である。 (エ) 1審原告の勤務状況 1審原告が公用車の駐車違反等によって始末書の提出を命じられたり, E部長から厳重注意を受けたのは本件酒気帯び運転の約9年も前のこと であって,本件酒気帯び運転との関連性はなく,また,平成27年4月 のD長の引継書(乙40)において,1審原告について「公私ともに行 動等に要注意。観察が必要。」と記載されていることの趣旨は不明であ る。 そして,勤務状況については,良好であった場合に1審原告に有利に しんしゃくし,不良であった場合に1審原告に不利にしんしゃくするこ とはあっても,良好とまではいえず,可もなく不可もない場合に,それ を1審原告に不利にしんしゃくすることは不当である。 (オ) 1審原告に有利にしんしゃくすべき事情 1審原告が本件懲戒免職処分以前に懲戒処分を受けたことはないとの 事情は,1審原告に有利にしんしゃくされてしかるべきである。 また,飲酒運転を行った公務員に対して懲戒免職処分がなされなかっ た事例が多々あり,その中には1審原告よりも不利にしんしゃくすべき 事情が認められる者まで含まれているという事情は,1審原告に有利に しんしゃくされてしかるべきである。 (カ) まとめ 以上のとおり,原判決
主文(判決文より)
1(1) 1審被告の控訴に基づき,原判決中1審被告敗訴部分を取り消す。 (2) 上記取消しに係る1審原告の請求を棄却する。 2 1審原告の控訴を棄却する。 3 訴訟費用は,第1,2審とも1審原告の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。