事件の基本情報
| 裁判所 | 名古屋高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成28(行コ)90 |
| 判決日 | 2018-03-14 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及び当事者の主張は,次のとおり補正するほか, 原判決「事実及び理由」第2の2及び3に記載のとおりであるから,こ れを引用する。 なお,当審の第1回弁論準備手続期日において,受命裁判官が,双方 に対して,「いわゆる「新型うつ」についての議論を踏まえた「うつ病」 - 1 - の捉え方」につき主張を補充するよう求めたが,控訴人は,控訴人の本 件無断欠勤が「新型うつ」の状況下でなされたものであるとの明示的な 主張をしなかった。 原判決8頁2行目の後に,行を改め次のとおり加える。 「 A医師は,控訴人に4回面接をし,本人の供述を丹念に聞き取った 上で,診断結果報告書(甲8)において,控訴人が,仕事を忌避する 気持が強くなり,自分を無用の人間と考える「自己価値の退縮」が生 じ,そもそも思考が湧いてこない「思考の制止」が生じており,これ らうつ病に特徴的な症状をとらえてうつ病であると診断している。こ れを否定した原判決は,認知や記憶の障害の有無を択一的に捉えるの みで,その程度を問題としておらず,また,事実の記憶と心情の記憶 との区別を問題としておらず,極めて粗雑な認定である。 原判決は,平成22年7月後半以降,当日申請の休暇の取得が急に 増えたという事情があったとしても,控訴人の以前からの行動様式や 勤労意欲の低下と整合的に理解することができるなどとしたが,控訴 人は,平成21年度以前に休暇を取る場合には,ごく一部の例外を除 いて,通院等のために当日申請によって時間単位の休暇を取得するこ とはあったが,いったん出勤し,朝8時に休暇を申請して帰るという 行動とは全く異なるものである。控訴人は,平成22年6月から8月 にかけて,出勤後当日届出で休暇を取得して職場を去るという行動を とるようになり,当日届出の休暇取得を頻繁に行うようになった平成 22年7月後半の時点での控訴人の精神状態はかなり悪化していたと 推測されるが,それでもきちんと職場に行って,休暇届の手続をして 休むという最低限の手続,最低限の規範を遵守することができていた。 にもかかわらず,同年8月17日,控訴人は,いつもより30分ほ ど早い朝7時頃には職場に出勤していながら,その場にいたくないと - 2 - いう気持ちで頭がいっぱいになって,何も考えられなくなり,午前8 時まで待つことができず,それまでの行動パターンとしてあった規範 意識が全く吹き飛んでしまい,休暇届を出すという最低限の手続も踏 まずに突発的に職場を出て行方不明となった。わざわざ職場に赴いた 上で,何の届出もせず,事後的な処理もせず失踪するという行為は, 控訴人のそれまでの生活様式や行動様式からして「衝動的で了解しが たい」ものというべきであり,8月17日の控訴人の行動は,今まで の行動パターンと明らかに違って了解不可能である旨結論付けている
主文(判決文より)
1 原判決を取り消す。 2 処分行政庁が控訴人に対し平成22年12月22日付けでした 免職処分を取り消す。 3 処分行政庁が控訴人に対し平成22年12月22日付けでした 退職手当支給制限処分を取り消す。 4 訴訟費用は第1,2審とも被控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。