遺族補償給付不支給処分取消請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所名古屋高等裁判所
事件番号平成28(行コ)91
判決日2018-04-11
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び争点に対する当事者の主張は,次のとおり補正し,
後記3として当審における当事者の主張を付加するほか,原判決「事実
及び理由」第2の1ないし3に記載のとおりであるから,これを引用す
る。
(原判決の補正)
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原判決23頁23行目の「記念会堂にアスベストが使用されていた事
実は認める。」を「記念会堂にアスベストが使用されていた事実は否認す
る。」に改める(被控訴人は,当審における平成30年1月23日付け第
2準備書面7頁において,「記念会堂については,再度図面を精査したと
ころ,図面上石綿を使用している事実が認められなかった」,「被控訴人
は,原審において記念会堂における石綿使用を認めていたが,これは錯
誤に基づき認めたものであるため,撤回する。」として,記念会堂におけ
る石綿使用の自白を撤回した。これに対し控訴人は,明示的な異議は述
べていない。)。
3 当審における当事者の主張
控訴人の主張
ア 被災者は,a における建築工事のうち,少なくとも中学校舎新築
工事,中高管理棟増築工事,中学体育館工事及び中央棟工事がされ
ていた期間のうち約21か月間は,石綿含有建材が使用されていた
工事現場から飛散した石綿粉塵にばく露する場所で就労しており,
これは,中皮腫に関する国の労災認定基準(本認定基準)第2の3
の「石綿ばく露作業の従事期間が1年以上あること」という認定
要件(以下「1年要件」ともいう。)を充足する。
a では,上記の他にも,その工事時期等からして石綿含有建材の
使用が推測される増改築・新築工事が多数行われている。しかし,a
も,工事を設計・施工した竹中工務店も,工事がされた校舎等の設
計図書や竣工図のうちごく一部しか提出しなかったため,多くの建
物において,石綿含有建材の使用事実の有無を客観的に確認するこ
とができなかった。実際には,それらの工事現場からも石綿粉塵の
飛散があったと考えられることからすれば,被災者は,上記の約2
1か月間をさらに超える長期間にわたって石綿粉塵にばく露してい
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たことになる。
被災者の肺内から,a で使用されていることが確認できていない
アクチノライトが検出された一方,a で使用されていたクロシドラ
イトが検出されなかったことは,被災者の a における石綿ばく露を
否定する方向に働く事実ではないし,被災者の肺の手術ブロックを
用いて行われた肺内石綿濃度分析結果(乾燥肺1g当たり石綿小体
94本,石綿繊維20万本)も,a における職業性石綿ばく露と矛
盾するものではない。他方,被災者は a 以外の場所において石綿粉
塵の職業性ばく露,近隣ばく露,家庭内ばく露を受けたことはなか
った。
したがって,被災者の悪性胸膜中皮腫は,a における石綿粉塵ば
く露を相対的に有力な原因として発症したものであって,

主文(判決文より)

1 原判決を取り消す。
2 名古屋東労働基準監督署長が,控訴人に対して,平成20
年5月21日付けでした労働者災害補償保険法による遺族補
償給付を支給しない旨の処分を取り消す。
3 訴訟費用は第1,2審とも被控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。