司法修習生の給費制廃止違憲国家賠償等請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所名古屋高等裁判所
事件番号平成30(行コ)5
分類行政
判決種別判決
判決文が挙げた条文労働組合法3条、憲法13条、憲法14条1項、憲法27条、憲法27条1項、憲法29条3項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び争点に関する当事者の主張は,
後記3のとおり当審追加主張を付加するほかは,原判決「事実及び理由」
第2の2ないし5に記載のとおりであるから,これを引用する。
ただし,原判決5頁15行目の「おいても,」の次に「司法修習生が
その修習に専念することを確保するための資金であって,修習給付金の
支給を受けてもなお必要なものを,修習専念資金として貸与する制度と
して」を加える。
3 当審追加主張
(1) 控訴人らの主張
ア 平成29年改正時の立法不作為による新たな権利侵害
平成29年改正法により給付金制が創設されたところ,その立法
過程においては,控訴人らを含む新65期司法修習生から70期司
法修習生までのいわゆる「谷間世代」の救済の必要性が具体的に指
摘され,給費支給を受けられなかった者への弊害が具体的に認識さ
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れていたことが明らかであったにもかかわらず,被控訴人は,当該
弊害を放置し,「谷間世代」に対する救済措置をしなかった。
この立法不作為は,控訴人らの給費を受ける権利の一態様に係る
新たな権利侵害として評価できるものである。また,この立法不作
為は,控訴人らに係る貸与金の返済開始が平成30年7月である中,
手弁当となる人権擁護活動ができなくなるなどの弊害を生じさせ,
法曹として基本的人権擁護を担うという人格的選択をできない状
況を放置したものといえ,控訴人らの人格的権利への新たな侵害行
為として評価できるものである。
イ 控訴人らと71期司法修習生との間の不合理な差別
71期司法修習生と控訴人らを含む新65期司法修習生が異な
る点は,①71期司法修習生には導入修習があること,②アルバイ
トができること,③司法修習生たるに値しない非行事由があるとき
は修習の停止を命じられ,又は戒告されることがあること,であり,
給費を受ける必要性に変更を生じるような違いはない。ところが,
71期司法修習生は,控訴人らと異なり,基本給付金及び住居給付
金として220万円以上もの金銭の支給を受けることができると
いう著しい取扱いの差異が生じているが,当該取扱いの差異に何ら
合理的理由はない。
したがって,給費制の廃止が憲法14条1項に違反することは明
らかである。
ウ 憲法27条にいう「勤労」の意義に関する追加主張
憲法27条にいう「勤労」者の定義は,労基法9条にいう労働者
に限定されるという解釈は必然的ではなく,労働組合法3条の労働
者の定義を借りて,「職業の種類を問わず,賃金,給料その他これ
に準ずる収入その他これに準ずる収入によって生活する者」,すな
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わち「収入生活者」として,より広い意味で捉えることが可能であ
る。
司法修習生は,国が実施している法曹となる上での義務研修であ
る司法修習に従事し,その身分は最高裁によって採用され司法研修
所に所

主文(判決文より)

1 本件控訴をいずれも棄却する。
2 控訴費用は控訴人らの負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。