事件の基本情報
| 裁判所 | 名古屋高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和1(う)368 |
| 判決日 | 2020-02-17 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 刑法21条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点に対する判断」の第3で,概要,以下のような判断を示した。 上記①及び③の各事実(以下,両事実を併せて「第1事件」という。)について 捜査段階で被告人の精神鑑定を行ったⒶ医師は,原審公判廷で,同精神鑑定の結果 につき,被告人は,遅くとも平成27年12月頃に顕性発症した統合失調症に罹患 していたが,犯行当時には,幻覚や妄想等の陽性症状は消褪し,感情の平板化,思 考の渋滞あるいはストレス耐性の脆弱性といった陰性症状が軽度に認められたにと どまり,被告人の精神障害は,感情の平板化やストレス耐性の脆弱さという形で, 犯行の動機形成に一定の影響を及ぼしていたものの,犯行全体に直接的で著しい影 響を与えたとは考えられない旨証言しているところ,この鑑定の結果は十分信用す ることができる。また,上記②の犯行(以下「第2事件」という。)は,第1事件 とほぼ同一機会に行われたものであるから,この精神鑑定の結果が第2事件にも妥 当する。そして,同鑑定の結果を踏まえた上で,関係各証拠により認定できる事実, すなわち,各犯行の動機の形成過程に統合失調症による幻覚,妄想等の直接的な影 響があったとは認められず,動機が了解不能であるとはいえないこと,被告人が, 本件以前,約5か月間にわたって,全国各地を転々としつつ,一定程度の社会生活 を自力で営むことができていたこと,犯行前後の状況をみても,被告人が,行為の 違法性を認識しつつ,被害者を殺害するという目的に向け,周囲の状況を判断しな がら冷静に行動していた様子が見て取れることなどを総合すると,被告人が各犯行 当時,物事の善悪を判断する能力や,その判断に従って自分の行動をコントロール する能力を喪失していたなどとは到底認められず,また,これらが著しく減退して いたなどとの評価も妥当する余地がなく,弁護人の主張や被告人の供述を勘案して も,この判断に合理的な疑いは生じない。 3 当審の判断 上記の原判決の認定及び判断について,論理則,経験則等に照らして不合理 な点は認められない。 これに対する所論は,概要,原判決が依拠したⒶ医師の精神鑑定の結果は, 以下の①ないし③の事情に照らして信用できない,というものである。 ① Ⓐ医師は,鑑定面接の際に,被告人に対して,被告人が第1事件の実行行為 時に責任能力を有していたという結論に沿う方向に不相当に誘導する質問や二者択 一的な質問をし,これによって得た陳述を前提として,精神障害が犯行に与えた影 響の有無とその程度及び機序について結論づけていることからすれば,Ⓐ医師は結 論ありきで被告人との鑑定面接を実施したということができる。 ② 被告人が事件当時統合失調症に罹患していたのに,鑑定面接の一部が,病気 の治療を目的とする病院でなく,被疑者や被告人の身柄を拘束するための施設であ る名古屋拘置所で実施さ
主文(判決文より)
本件控訴を棄却する。 当審における未決勾留日数中60日を原判決の刑に算入する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。