難民の認定をしない処分取消等請求、訴えの追加的変更申立控訴事件

事件の基本情報

裁判所名古屋高等裁判所
事件番号令和5(行コ)38
判決日2024-01-25
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び争点に関する当事者の主張は、次のとおり補正し、
次項に当審における当事者の補充主張を付加するほかは、原判決「事実及び理
由」第2の1から3までに記載のとおりであるから、これを引用する。
(1) 原判決4頁22行目の「の適法性」の後に「及びその理由の有無」を付加
する。
(2) 原判決12頁8行目から9行目の「原告は、ミャンマーを不法に出国した
わけではないが、」を「控訴人の」と改める。
(3) 原判決21頁12行目の「の適法性」の後に「及びその理由の有無」を付
加する。
3 当審における当事者の補充主張
(1) 控訴人
ア 立証責任について
立証責任は難民申請者側にあるとしても、難民申請者の置かれた困難な
状況からすれば、処分行政庁は、自ら積極的な主張立証を行うべきである。
イ 事実認定について
控訴人は、ラカイン州で出生した。また、Aは、控訴人の姉である。こ
れらについてはいずれも公的文書がある。そうであるのに、原審裁判所は、
提出が遅れた理由について釈明も行わず、公正な通訳が付けられなかった
などの理由により信用性の低い難民認定申請時の調書を重視して、上記事
実を認定しなかった。また、控訴人の旅券は、出生地を偽った当初から無
効なものである。
ウ 難民該当性の判断について
UNHCRの「難民認定基準ハンドブック」に記載された内容は、事後
の慣行に当たるから、これを参照して難民法を解釈すべきである。また、
迫害とは、生命、身体又は自由の侵害又は抑圧及びその他の人権の重大な
侵害を意味するとともに、それ自体は迫害とは言えない措置や不利益等が
合わさった結果として、全体として迫害を構成する累積的迫害をも意味す
る。そして、迫害主体が国家であり、民族浄化を行っている場合には、民
族浄化の対象とされた民族の構成員は、十分に理由のある恐怖を感じてい
るというべきである。
ミャンマーでは、従来からロヒンギャに対する迫害が行われ、2016
年(平成28年)から2017年(平成29年)にかけて大規模な虐殺が
行われた。その後、2021年(令和3年)には軍事クーデター(以下「本
件クーデター」という。)が起こり、更に状況は悪化している。迫害主体は
国家機関であって、ロヒンギャを対象に民族浄化を図っているのだから、
ロヒンギャが迫害を受ける恐れは国籍国の全土にわたる。現にラカイン州
以外のロヒンギャも迫害を受けている。また、国を去った後に後発的に難
民になることがあることは、入管法61条の2の2第1項2号の規定から
明らかである。控訴人は、適法な旅券を持たずに出国したのであるから、
帰国時に投獄される可能性が高い。加えて、控訴人は、かつて、NLDに
加入して政治活動をしていたことがあるのだから、NLDと対立する軍事
政権から拘禁及び暴力にさらされる可能性が高い。迫害の

主文(判決文より)

1 原判決を次の通り変更する。
2 法務大臣が平成28年6月16日付けで控訴人に対してした難
民の認定をしない旨の処分を取り消す。
3 法務大臣は、控訴人に対し、出入国管理及び難民認定法61条
の2第1項の規定による難民の認定をせよ。
4 第2事件の訴えをいずれも却下する。
5 訴訟費用は第1、2審を通じて被控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。