住居侵入、強盗被告事件

事件の基本情報

裁判所名古屋高等裁判所
事件番号令和5(う)274
判決日2024-05-22
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は犯人性であるとし、検察官は、①被害者方内の床から採
取された本件足跡痕が、鑑定の結果、被告人の使用車両から押収された本件靴によ
って印象された可能性が高いと結論付けられたこと、②被害者方付近の路地を本件
直後に通過した人物である被告人が、被害者の供述によれば犯人であると推認でき
ること、③被告人がポリグラフ検査において示した反応から、被告人が犯人等しか
知り得ない情報を知っていたと推測されることなどから、被告人が犯人である旨主
張しているとした上で、これらの検察官の主張に対し、次のような判断をした。
1 本件足跡痕について
⑴ 警察本部鑑識課の足痕跡係であり、事件後に被害者方1階トイレ前床面か
ら採取された本件足跡痕(原審甲26号証資料番号8の足跡)の鑑定を行った証人
A作成の鑑定書を見ると、まず、本件足跡痕と本件靴の左足用履物底を実物の90%
大にしてそれぞれ写真を作成し、その写真上に本件靴の左足用履物底を同倍率で印
象して赤色にした対照用フィルムを重ね合わせたところ、爪先部からかかと部の模
様と相互に重なり合うのが認められた旨記載されている。
しかしながら、本件足跡痕の写真自体が若干不鮮明で、これと対照用フィルムの
爪先からかかと部の模様が重なり合っているのか判然としない。また、本件靴と同
種の靴は約2万足販売されている上、同じ金型によって作られた靴は日本だけで約
10万足あるというのだから、爪先部からかかと部の模様が相互に重なり合うだけ
では、被告人以外の者が本件靴と同型の靴を履いて犯行に及んだ可能性を否定でき
ない。
⑵ 次に、本件鑑定書には、本件足跡痕及び本件靴底の各かかと部分と前の部
分の真ん中あたりの部分において、摩耗によって生じた顕著な模様の変形及び消失
の状況に共通性がみられる旨記載されている。しかしながら、一般的に、靴はかか
とから着地するので、かかとが一番擦り減ること、その後に前の部分が着くので、
前の部分の真ん中あたりが擦り減ることからすれば、前記各部分は、擦り減り方と
しては通常歩行で履いていると自然に起こる減り方である。そうすると、摩耗によ
って生じた模様の変形及び消失の状況に共通性がみられるからといって、本件足跡
痕が本件靴によって印象されたとはいえない。
⑶ さらに、本件鑑定書には、本件足跡痕及び本件靴底にある涙型の傷の位置
及び形状、その周辺部分における細かい傷の位置及び形状について酷似すると認め
られた旨記載されている。しかしながら、本件足跡痕の拡大写真が少し薄い状態で
写っており、酷似の程度の判断は鑑定人によって変わり得ることからすれば、傷の
位置及び形状が「酷似」しているとまではいえない。そして、固いものなどに当た
れば、毛羽立ちとか、涙型の傷のようなものが付くことはあり得るのであり、本件
靴のみにしか生じ

主文(判決文より)

原判決を破棄する。
被告人を懲役4年に処する。
原審における未決勾留日数中170日をその刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。