事件の基本情報
| 裁判所 | 最高裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 昭和59(あ)626 |
| 分類 | 最高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
- 阿部泰雄外二(被告代理人)
争点(判決文より)
争点は、被告人の運転する普通貨物自動車(最大積載量四・五トンのいわゆる平ボ デーのトラツク。以下「被告人車」という。)が被害者を轢過した車両(以下「轢 過車両」という。)であるか否かである。 第一審判決は、第一に、事故現場を通過した関係各車両の通過時間・擦れ違い地 - 1 - 点等を中心とした検討によると被告人車を轢過車両と考えざるをえないこと、第二 に、鑑定により被告人車の右後輪等には被害者と同じO型の人の血液と毛髪が付着 していたと認められること、第三に、現場付近で異常走行を体験した旨の被告人の 捜査官に対する供述は信用できることを、それぞれ詳細に説明して、被告人車が轢 過車両であると認定し、被告人を禁錮六月、執行猶予二年に処し、原判決は、やや ニユアンスを異にする理由説示を含むものの、第一審判決の事実認定を是認し、被 告人の控訴を棄却した。これに対し、被告人及び弁護人は、第一審以来、被告人車 は事故現場を無事に通過したのであり、轢過車両は後続車である旨主張している。 二 捜査の経過等 前記日時場所において、被害者が酩酊して道路のセンターライン付近に横たわつ ていたところを新潟市方面から会津若松市方面に向かう自動車に轢過されたこと、 轢過車両は普通乗用自動車のような軽量級ではなく中量級のトラツク・バス類であ り、一台の車両だけが轢過に関与していると推定されること、被告人車も右時刻こ ろ同方向に向かつて事故現場を通過していることは、関係証拠上明らかであり争い がない。被告人車が轢過車両として特定されるに至つた捜査経過をみると、被告人 車は、事故現場を通過後、そのまま国道四九号線を会津若松市方面に向かつて走行 し、同日午後九時五五分ころ、事故現場から約二六キロメートル余の地点にある福 島県警察喜多方警察署西会津派出所前で本件事故の轢過車両発見のための交通検問 を受けたが、異常なしということで通過を許され、宮城県志田郡c町の自宅に帰つ た。新潟県警察津川警察署が右検問の記録に基づいて関係警察署にいわゆる車当た り捜査を依頼したことから、本件事故の二日後の一二月二二日に宮城県警察岩沼警 察署の警察官が、岩沼市内のB工業株式会社C工場(被告人の勤務先)及び岩沼警 察署において被告人車を見分した結果、まずその右後輪タイヤ外側面に幅約二〇セ ンチメートル、長さ約一九センチメートルというかなり大きい血痕様付着物(以下 - 2 - 「右後輪付着物」という。この付着物から、同日岩沼警察署巡査部長Dが白色木綿 糸に採取したものが、原判決のいう資料「①」であり、翌二三日新潟県警察本部鑑 識課技術吏員Eが白色木綿糸に採取したものが、原判決のいう資料「③」である。 以下、本判決でもこの資料番号を用いることにする。)が発見され、その他にも右 後輪付着物中に塗り込められた状態で付着して
主文(判決文より)
原判決及び第一審判決を破棄する。 被告人は無罪。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。