事件の基本情報
| 裁判所 | 最高裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 昭和57(あ)223 |
| 分類 | 最高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
争点(判決文より)
争点となつている第一の犯行につき、原判決が是認した第一審判決認定の犯罪事 実の要旨は、「被告人は、借金の返済と旅行費用の調達に苦慮したため、Aに金借 させたうえ、同人を殺害してこれを強取しようと企て、昭和四七年四月下旬ころ、 同人に持ちかけて金借を決意させ、C(貸金業)に引き合わせて三〇万円の借り入 れを申し込ませたところ、保証人が必要となつたため、友人であるB(当時二四年) - 1 - にその旨依頼し、同人の承諾を得た。被告人は、Cに対しては偽名を使用していた ことから、Bを殺害したうえAをも殺害すれば自己の犯行を隠蔽することができる と考え、同年五月七日夜、Aに対し、『Cから金を借りた後お礼をやると言つてB を誘い出し、Bをバラそう。俺はナイフでやるから君はまさかりでやつてくれ。C もやつてしまえば金を返さなくてもよいし、家の者にもばれないですむ。二人とも やつてしまおう。』と提案したところ、Aもこれに同意し、ここにおいて同人との 間でB殺害の共謀を遂げた。同月一〇日夜、AがCから三〇万円を借用したが、小 切手であつたため、被告人とAはBの殺害を延期することとし、C方からの帰途、 AがBに対し、『実は小切手やつたので明日銭にかえてから礼をする。どこかへ飲 みに行こう。明日午後八時三〇分ころ、前の道路に出ていてくれ。』と言つてその 旨約束し、翌一一日午後八時過ぎころ、被告人運転の普通乗用自動車に根切りよき とスコツプを載せてB方付近路上に赴き、Bを乗車させ、午後九時ころ、石川県江 沼郡a町b町c丁目d部e通称fの奥に連れ込み、同所に停車させた自動車内で、 被告人がBの左側に座り、『どこか面白いところはないか。』と話しかけて油断さ せ、いきなり所携の切出し小刀で同人の左脇腹を一回突き刺したうえ、その胸倉を つかんで車外へ引きずり出し、車の後方へ逃げていつた同人を追いかけ、その腹部 等を数回突き刺し、さらに、Aから同人が自動車の後部トランク内から取り出した 根切りよきを受け取つて、倒れているBの頭部をその峰で一回殴打し、よつて右犯 行による受傷により同人をその場で死亡させて殺害した。また被告人とAは、共謀 のうえ、右犯行直後、犯跡を隠蔽する目的でBの死体を現場付近の谷川の橋下に投 棄し、もつて死体を遺棄した。」というのである。 なお、前記第一審判決が認定した第二の犯行は、被告人が、Aを殺害して同人の 所持する金員を強取しようと企て、同月一四日夕方、同人を同県加賀市g町の林道 に連れ込み、切出し小刀でその右脇腹を一回突き刺したうえ、顔面、胸部等に切り - 2 - つけたが、同人が抵抗して逃げ出したため、同人に対し安静加療約一か月間を要す る右前胸部貫通刺創、顔面切創等の傷害を負わせたにとどまり、殺害及び金員強取 の目的を遂げなかつたというものである。 二 事件の
主文(判決文より)
原判決を破棄する。 本件を名古屋高等裁判所に差し戻す。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。