事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成30(う)561 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
- 髙山巌(検察官)/大阪弁護士会
争点(判決文より)
争点は,被告人の責任能力の有無であった。 - 1 - 原判決は,本件は全て被告人による犯行であり,被害者全員に対する殺意も認め られると認定し,これを前提に,本件各犯行当時,被告人は妄想型統合失調症のた め心神耗弱の状態にあったと認定し,検察官が死刑を求刑したのに対し,被告人を 懲役30年に処した。 2 原判決に対し,被告人及び検察官が共に控訴したが,その控訴の趣意を整理 すると,以下のとおりとなる。 検察官の控訴の趣意は事実誤認であり,具体的には,原判決が,被告人の本件各 犯行当時の責任能力を心神耗弱と認定したことに対し,原審で取り調べられた関係 各証拠を適切に評価し,総合的に判断すれば,被告人が完全責任能力であったこと が優に認められるとし,そして,被告人の完全責任能力を前提にすれば,被告人に 対しては死刑を選択すべきであることは明らかであるから,原判決には,判決に影 響を及ぼす事実誤認があると主張する。 これに対し,弁護人の控訴の趣意も事実誤認であり,具体的には,被告人が犯人 であり,殺意があったと認定した原判決には事実誤認があり,また,被告人の本件 各犯行当時の責任能力は心神喪失の状態にあったと考えられるのに,心神耗弱と認 定した原判決には事実誤認があると主張する。さらに,被告人は,被告人を懲役3 0年に処した原判決の量刑は重過ぎで,また,算入されている未決勾留日数が24 0日というのは少な過ぎで,原判決の量刑は不当であると主張する。 以下においては,分かり易さを考慮に入れ,弁護人の,被告人の犯人性等につい ての論旨から検討し,次に本件の中心的争点である,被告人の責任能力についての 検察官及び弁護人双方の各論旨について検討し,その後に被告人の量刑不当の論旨 について検討する。 第2 事実誤認の論旨について 1 原判決の認定した事実 原判決が認定した犯罪事実の要旨は,次のとおりである。 すなわち,被告人は,⑴ 大阪府門真市内のAら家族の住む一戸建ての民家(以 - 2 - 下「本件家屋」という。)に侵入し,本件家屋の住人を殺害しようと考え,平成2 8年10月19日午前3時30分頃から同日午前4時10分頃までの間に,本件家 屋1階南側腰高窓の施錠を外すなどして本件家屋内に侵入し,同日午前4時10分 頃までの間に,いずれも殺意をもって,①当時A及びその長男Bの寝室となってい た本件家屋2階東側洋室(以下「東側洋室」という。)において,A(当時43歳) に対し,その胸部,背部等を持っていた短刀(刃渡り約30.7㎝。以下「本件短 刀」という。)で約30回にわたって突き刺すなどし,よって,同日午前4時20 分前後頃,その場において,Aを上記各部位等の刺創・刺切創に基づく失血により 死亡させて殺害した(原判示第1の1),②前記の犯行に引き続き,異変に気付い て本件家
主文(判決文より)
本件各控訴をいずれも棄却する。
出典
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