損害賠償請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所大阪高等裁判所
事件番号平成30(ネ)628
分類民事
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び争点についての当事者の主張は,次の3及
び4において当審における当事者の主張を付加するほかは,原判決「事実及び
理由」の第2の2から4までに記載のとおりであるから,これを引用する。た
だし,原判決13頁2行目末尾に行を改め,次のとおり加える。
「 原審甲事件原告亡E1の訴訟承継人であった一審原告E2は,原審口頭弁
論終結後である平成29年10月28日に死亡し,同人の子である一審原告
E2承継人E3及び同E4が,それぞれ2分の1ずつの割合で,一審原告E
2の本件訴訟における権利義務を相続した(弁論の全趣旨)。」
3 当審における一審原告らの主張
(1) 各工場における石綿粉じん飛散状況及び本件被用者らの石綿曝露状況並
びに石綿曝露と本件被用者らの疾病との間の因果関係
ア 神戸工場における石綿粉じん飛散状況
(ア) タルクの使用状況
a 昭和24年5月に兵庫県労働基準局安全衛生課が作成した「労働衛
生実態調査報告『ゴム工業に発生する職業特に塵肺について』」と題す
る報告書(甲A72,昭和24年調査報告書)は,神戸工場を調査し
た上で,「ゴム製品の製造工程は第一図に示すが如くであって,じん肺
発生の原因は生ゴムに配合されている薬品顔料などの飛散,或はゴム
の粘着を防止するために用いられる Talcum(俗にチョークと呼ばれ
ている)及び白碧華(カタルポ)の SiO を含む微細な粒子が(第一表
参照)使用の場所で大気中へ多量に飛散されて漂っているためである
ことは,現場を見れば歴然とするところである。」(表記ないし表現は
一部現代語化している。以下同じ。)としている(105頁)。また,
Talcum について小松タルク工業所精製と明記し,成分も表記してい
る(110頁)。これによれば,主たる成分は SiO ,MgO,Fe O +Al O
2 2 3 2 3
であり,分子式が C H O のステアリン酸とは全く異なる。
18 36 2
昭和24年調査報告書の Talcum が鉱物のタルクを指していること
は明らかである。
b 東京大学公衆衛生学教室に所属し,昭和24年調査報告書の基とな
る調査に関与した石川知福らは,その調査結果を,日本衛生学雑誌5
巻(1950-1951)3号に「タルクによる塵肺について」と題
する論文で公表した(甲A78。以下「昭和26年石川論文」という。)。
同論文には,「ほとんど全工程においてゴムの粘着を防ぐためにタルク
が使われ,また,工場は単一の建物に納まっており,各職場間にほと
んど仕切りがないため,タルクを殊に多量に使う高度発じん箇所を中
心として一様にタルクじんが飛散している。」と記載され,高度発じん
箇所として,薬品配合,ゴム練り,チューブ押出し,裁断,成形の工
程が指摘されている(17頁)。同論文の総括及び考案では,「ゴム

主文(判決文より)

1 一審原告らの本件各控訴に基づき,原判決を次のとおり変更する。
2 一審被告は,各一審原告に対し,別紙2「請求・認容金額一覧表」の各一審
原告に対応する当審認容額欄記載の各金員並びにこれに対する一審原告F1,
一審原告F2及び一審原告G以外の一審原告らについては平成25年3月7日
から,一審原告F1,一審原告F2及び一審原告Gについては平成28年2月
11日から各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 一審原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
4 一審被告の本件控訴をいずれも棄却する。
5 訴訟費用は,第一,二審を通じてこれを4分し,その3を一審被告の,その
余を一審原告らの各負担とする。
6 この判決は,第2項に限り,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。