強盗殺人,有印私文書偽造,同行使,詐欺

事件の基本情報

裁判所大阪高等裁判所
事件番号令和1(う)526
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点に対する判断」第3の1において,原審鑑定人の供述
内容を次のとおり要約した。
犯行に関する被告人の説明は,C(平成26年3月頃まで被告人と
同居していた女性)が中国に帰ってから大胆で冷酷な自分がメインで
考えているようだ,強盗殺人事件については1回刺している別の私を
上から見ていることだけを覚えている,刺していたのは冷静で冷たい
自分であり,それを見ていた弱い自分は止めることもできなかった,
などというものである。
上記説明や被告人の生活歴等によれば,被告人は,本件犯行以前か
ら,人格の交代,健忘,離人感などを体験させる解離性同一性障害の
精神障害を有していた。解離性同一性障害の患者について,最も長い
期間身体を支配している人格状態を主人格といい,それ以外の人格状
態を別人格又は副人格という。主人格と別人格は患者の意思とは関係
なく交代する。通常の解離性同一性障害は,主人格は別人格の経験を
認識せず,そのため記憶も共有しないが,主人格と別人格が完全には
解離しない症状もある。
被告人については,「おとなしい自分」が主人格であり,「大胆で
冷酷な自分」が別人格であったと考えられる。被告人は,Cが中国に
行った頃から,主として別人格が行動を支配していたと考えられるが,
平成29年3月の取調べの頃まで,犯行の記憶などの主として別人格
に行動を支配された時期の記憶を共有しており,犯行に関する健忘が
ないことから,犯行時に,主人格と別人格は完全には解離していなかっ
たと考えられる。
当時,被告人の主人格は別人格をコントロールすることができてお
らず,犯行に精神障害の影響はあったといえる。主として別人格が行
動を支配している当時の精神状態において,被告人は,目的に従って
合理的に行動しており,状況を正しく認識し,行動のコントロールが
できていたといえる。
3 当時の被告人の行動
原判決は,「争点に対する判断」第3の2において,被告人の捜査段
階の供述調書などの関係証拠によれば,強盗殺人の犯行は,以下の経緯
で実行されたものと認められるとして,要旨,次のとおり,説示したと
ころ,この説示はおおむね相当である。
被告人は,Cのいる中国に行きたいと考えていたが,日本での在留
資格がない状態になっていたことから,他人名義のパスポートを取得
して中国に行くため,一人暮らしでパスポートも取得していなかった
被害者を殺害し,被害者に成り代わって,パスポートを取得すること
を考えた。
被告人は,事前に被害者の予定を確認し,パスポートを取得してい
るかどうかを確認しようとした上で,東京から大阪に出向き,凶器を
準備した上で,被害者方に入った。
被告人は,被害者と話をしていたが,なかなか殺害を実行する決心
がつかず,被害者から帰宅を促されたところで,先延ばしはできない
と考えて,被害者

主文(判決文より)

本件控訴を棄却する。
当審における未決勾留日数中210日を原判決の刑に算入する。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。