事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 平成31(ネ)535 |
| 判決日 | 2020-02-04 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 国家賠償法1条1項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及び当事者の主張は,次の3のとおり当審における控訴人 らの主張を付加するほかは,原判決「事実及び理由」の第2の1及び2に記載 のとおりであるから,これを引用する。ただし,原判決を次のとおり訂正す る。 9頁3行目の末尾に行を改め,次のとおり加える。 「ウ 原審第1事件原告であったA12は,原審口頭弁論終結後の2018 年(平成30年)12月9日に死亡した。A12の相続人は,控訴人A 12のア,控訴人A12のイ及び控訴人A12のウであり,同人らは, 本件請求について,それぞれ3分の1の割合でA12の権利義務を承継 した。」 132頁8行目の「及び原告A12」を「A12,控訴人A12のア,控 訴人A12のイ及び控訴人A12のウ」に改める。 132頁9行目及び133頁22行目の「原告」をいずれも削り,同頁2 - 2 - 4行目の「求めている」を「求めていたが,2018年(平成30年)12 月9日に死亡し,同人の子である控訴人A12のア,控訴人A12のイ及び 控訴人A12のウがA12を相続した」に改める。 3 当審における控訴人らの主張 請求権放棄の抗弁について 日中共同声明5項に関する解釈は,サン・フランシスコ平和条約の枠組み 論でされるべきではなく,ウィーン条約法条約や国際人権法及び国際人道法 に基づく国際基準に依拠してされるべきである。 日中共同声明5項は,サン・フランシスコ平和条約14条(b),日ソ共 同宣言6項,日韓請求権協定2条などに用いられている「国民の」,「国民 に対する」との文言や「請求権」との文言を用いていない。日中共同声明5 項を,言葉の通常の意味に従って素直に読めば,「中華人民共和国政府」と いう一国の政府が「日本国」という国家に対する「戦争賠償の請求を放棄す る」としか解釈できない。中国「国民」の日本国に対する賠償請求権の放棄 など一切明記されていない。 ア 国際法における条約の効力が及ぶ範囲 条約の効力が及ぶ範囲は,条約の締結に参加した当事国の間のみに限ら れ,第三国には及ばないのが原則である。条約によって直接第三国に義務 を課すことは,第三国の明示的な承諾がない限りできない。ウィーン条約 法条約35条は,承諾は「書面により」明示にされることを求めている。 中華人民共和国は,サン・フランシスコ平和条約の当事国でないのみな らず,サン・フランシスコ平和条約について,繰り返し不法・無効という 声明を発していた。中華人民共和国がサン・フランシスコ平和条約及びサ ン・フランシスコ平和条約の「枠組み」に拘束されることはない。 イ 条約解釈に関する基本原則 日中共同声明5項は,「中華人民共和国政府は,…,日本国に対する戦 - 3 - 争賠償の請求を放棄することを宣言する。」と規定しており,個人の損害 賠償請求権の放棄に関する明らかな規定はない。
主文(判決文より)
1 本件各控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人らの負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。