事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和1(行コ)95 |
| 判決日 | 2020-02-07 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 憲法29条、相続税法34条1項 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点及び争点に関する当事者の主張の要旨は, 後記3のとおり当審における控訴人らの補充主張を付加するほかは,原判決 の「事実及び理由」の「第2 事案の概要」の1ないし4(原判決3頁25 行目~12頁19行目)に記載のとおりであるから,これを引用する(ただ し,原判決5頁15行目の「10億8053万円」を「9億8053万円」 に改め,同5頁22行目の「16,」を削る。)。 3 当審における控訴人らの補充主張 相続税法34条1項所定の「受けた利益」の解釈について 相続税は相続財産から納付されることが予定されているが,代償債権のよ うに,もともと遺産ではなく,遺産分割協議成立時に生じる新たな債権につ いては,代償金の支払という現実の責任財産の移転があって初めて相続によ り「受けた利益」が発生し,この利益が徴収対象となると解すべきである。 そうでなければ,連帯納付義務者は自己の固有財産を持ち出して連帯納付義 務を負担せざるを得ないこととなり,共同相続人間の公平が保てない。 国税徴収法39条は,滞納者がその財産につき行った処分により権利を取 得するなどした者は,受けた利益が現存する限度でその滞納税の第二次納税 義務を負う旨を規定する。相続税法34条1項は,納付義務者が自己の意思 に基づかずに本来の納税義務者の納付義務を負わされる点や,「受けた利益」 の価額を限度とする責任限度額の規定を有する点で国税徴収法39条と共通 - 3 - するから,相続税法34条1項についても,相続財産の移転など連帯納付義 務者が責任を負う根拠となる責任財産の移転が必要であると解すべきである。 また,本来的な遺産ではない代償債権について,代償金が現実に支払われ ていないにもかかわらず相続税法34条1項の「受けた利益」(控訴人らに ついて各3184万5500円)があるとすると,本来の遺産に加えて,控 訴人らの固有財産から各3184万5500円(合計6369万1000円) を過分に徴収することができるという不合理な結果となる。相続税法がこの ような結果を予定しているとは到底解されない。 したがって,控訴人らは,亡Cの遺産を承継しない代償として,亡Dに対 して本件各代償債権を取得したが,現実に代償金各5000万円を受領して いないから,相続税法34条1項所定の「受けた利益」があるとは認められ ない。 督促状発送の不存在 督促は,納付の催告にとどまらず,差押えの前提要件としての効果及び徴 収権の消滅時効の中断の効果を持つものであり,納税者の財産権を侵害する 処分行為の一環として重要な効力を与えられているものであるから,督促状 を発送したことの立証責任は課税庁が負担しているところ,仮に大阪国税局 への徴収事務の引継ぎに際して督促状の作成が行われていた可能性があると しても,それが控訴人らに発送されたかどう
主文(判決文より)
1 本件各控訴をいずれも棄却する。 2 控訴費用は控訴人らの負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。