遺族補償給付等不支給処分取消請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所大阪高等裁判所
事件番号令和1(行コ)96
判決日2020-10-01
分類高裁
判決種別判決

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点及びこれに対する当事者の主張
本件の争点及びこれに対する当事者の主張は,以下のとおり補正し,後記4
のとおり当審において被控訴人が追加した主張を付加するほか,原判決の「事
実及び理由」の第3(4頁23行目~13頁16行目)に記載のとおりである
から,これを引用する。
原判決4頁23行目の冒頭から同頁26行目の末尾までを次のとおり改め
る。
「1 争点1(免疫力の低下を理由とする本件疾病の発症及び死亡の業務起
因性の有無)
⑵ 原判決8頁4行目の「考えられる。」の後に「つまり,宿主が過労状態では
なく,最も重要で早期の感染後4,5日の段階で自然免疫機構が正常に機能
すれば,獲得免疫機構が働くまでもなく心筋炎にならないか,心筋炎になっ
たとしても急性期にまで至らず自然治癒し劇症化することはあり得ない。」
を加える。
⑶ 原判決8頁6行目の末尾を改行の上,次のとおり加える。
「すなわち,訴訟上の因果関係の立証は,一点の疑義も許されない自然科学
的証明ではなく,経験則に照らして全証拠を総合検討し,特定の事実が特定
の結果発生を招来した関係を是認しうる高度の蓋然性を証明することであり,
その判定は,通常人が疑いを差し挟まない程度に真実性の確信を持ちうるも
のであることを必要とし,かつ,それで足りるものであるから(最高裁判所
昭和50年10月24日第2小法廷判決(民集29巻9号1417頁。以下
「最高裁昭和50年10月24日判決」という。),亡Aが発症した本件疾病
について同人の長時間労働との間に業務起因性は十分認められる。」
⑷ 原判決9頁17行目の末尾を改行の上,次のとおり加える。
「ウ ウイルス性心筋炎は,心筋にウイルスが侵入し,自然免疫,獲得免疫
によってウイルスが排除できないという問題であるから,ウイルス感染
の問題と切り離して長時間労働と心筋炎発症の問題とする論理は誤りで
ある。過労などによって身体が弱っていると風邪を引かない人でも引き
やすくなる上,ウイルスなどが肺に入って炎症(肺炎)にまで至り重篤
化し,死亡に至ることは医学的な常識であるから,業務とウイルス感染
とその悪化との間に因果関係が認められれば,本件について業務起因性
を肯定するに必要にして十分である。
亡Aは,月間250時間というあり得ない長時間の時間外労働を継続
して疲労状態にあったもので,旧認定基準についての旧労働省労働基準
局補償課編の解説書である「労災保険 脳・心臓疾患の認定と事例」(甲
26の9)においても,心筋炎についても「ウイルス感染の直前あるい
は感染初期の疲労状態にあると,病状の発現や重症化することがあり得
る」と記載されているところであり,これと異なる控訴人の主張は昭和
62年当時から自ら長年示してきた医学的知見・経験則に反するもので
ある。」
⑸ 原判決9頁24

主文(判決文より)

1 原判決を取り消す。
2 被控訴人の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。