保有個人情報不開示決定処分取消請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所大阪高等裁判所
事件番号令和2(行コ)133
判決日2021-04-08
分類高裁
判決種別判決
判決文が挙げた条文個人情報の保護に関する法律13条、憲法13条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は,①憲法13条に自己情報開示請求権が含まれるので,法45条
1項は合憲限定解釈しなければならず,本件情報は刑事関連情報に当たらない
25 といえるか(争点1),②法45条1項の解釈として,本件情報は刑事関連情
報に当たらないといえるか(争点2),というものである。
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⑴ 争点1(憲法13条に自己情報開示請求権が含まれるので,法45条1項
は合憲限定解釈しなければならず,本件情報は刑事関連情報に当たらないと
いえるか)について
(控訴人の主張)
5 ア 憲法13条はいわゆる「新しい人権」を導く根拠となる。「新しい人権」
としてプライバシー権が憲法13条の保障に含まれると理解されているが,
プライバシー権の内実は自己に関する情報をコントロールする権利(自己
情報コントロール権)であり,自己情報コントロール権は憲法13条によ
り保障されている。そして,自己情報コントロール権の中核となるのが自
10 己情報開示請求権であり,法は憲法13条が定める自己情報コントロール
権を具体化した法律と位置づけることができる。
イ 法45条1項の趣旨は,刑事関連情報が他人に発覚して社会復帰や更生
を妨げる事態を防止するためとされている。すなわち,刑事関連情報を開
示請求権の対象とした場合,例えば雇用主が採用予定者の検挙歴や受刑歴
15 の有無を確認する目的で採用予定者本人に刑事関連情報の開示請求をする
よう求めることが想定されるが,そうなった場合,検挙歴や受刑歴が発覚
して就職ができなくなったり,受刑歴の発覚を恐れて就職を断念すること
になったりして,受刑者の社会復帰が妨げられる。法45項1項はそのよ
うな弊害を防止することにあるとされている。
20 しかし,雇用主が上記のような行為を要求することは違法とされている
のであって,想定される弊害は抽象的・観念的なものにすぎず,上記のよ
うな事態が生じる可能性は極めて低い。刑事関連情報の全てを一律に開示
請求の対象外とする法45条1項は,その規制目的(社会復帰や更生の助
成)を大きく超え,不必要に開示請求権を制限する不合理な規定であり,
25 個人情報保護法制における極めて異例の規定であるといわざるを得ない。
自己情報コントロール権(自己情報開示請求権)を制約する法45条1項
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主文(判決文より)

1 原判決を取り消す。
2 大阪矯正管区長が控訴人に対して令和元年5月7日付けでした,平成
31年4月4日受付の控訴人からの開示請求に係る保有個人情報を開示し
5 ない旨の決定(大管発第1号)を取り消す。
3 訴訟費用は,1,2審とも,被控訴人の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。