損害賠償請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所大阪高等裁判所
事件番号令和3(ネ)100
判決日2021-12-09
分類民事
判決種別判決
判決文が挙げた条文国家賠償法1条1項、憲法19条

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

本件の争点は,①本件意向確認が違憲違法なものか(争点1),②本件不採用
に裁量権の逸脱・濫用があるか(争点2),③本件意向確認及び本件不採用によ
る控訴人の損害(争点3)であるところ,これらの点に関する当事者の主張は,
下記のとおり当審における当事者の補充主張を付加するほかは,原判決「事実
及び理由」欄の第2の3に記載のとおりであるから,これを引用する。
(当審における当事者の補充主張(争点2について))
(控訴人の主張)
ア 平成30年最判及び府教委の裁量について
最高裁平成30年7月19日第一小法廷判決(平成30年最判)は,再
任用選考の合否の判断に際しての従前の勤務成績の評価については,基本
的に任命権者の裁量に委ねられているものということができるとした。
しかし,平成30年最判は,平成19年3月,平成20年3月,平成2
1年3月の東京都における定年退職者の再雇用職員,非常勤教員への採用
を問題としたものであり,最高裁自身が「その当時の再任用制度等の下に
おいて,著しく合理性を欠くものであったということはできない」として,
「その当時の」再任用制度に基づく事例判断的な側面があることを示して
いる。
そして,本件不採用当時(平成29年3月)においては,地方公務員に
ついても,雇用と年金を接続して地方公務員の生活を保障するという観点
から,総務省によって義務的な再任用を導入する方針が決定されており,
平成25年3月29日総務副大臣通知(本件通知)も発せられ,定年退職
する職員が再任用を希望した場合,当該職員の任命権者は,退職日の翌日,
地公法28条の4の規定に基づき,当該職員が年金支給開始年齢に達する
まで,常時勤務を要する職に当該職員を再任用するものとすることとされ,
再任用しない者の要件としては,地公法16条もしくは28条等規定に基
づく欠格事由又は分限免職事由としており,極めて限定的な要件を設けて
いた。このように,平成30年最判の事案で問題になっている平成19年
から平成21年までの時期とは異なり,本件不採用当時は,再任用制度の
趣旨が,地方公務員について,「任命権者は採用を希望する者を原則として
採用しなければならないとする法令等の定め」があったというべきであり,
再任用を希望する定年退職者等について,任命権者が再任用を認めるか否
かについての裁量権は,平成30年最判が認定するような,きわめて広範
なものであるとは到底いえなかった。
イ 被控訴人における再任用制度及びその運用実績
被控訴人は,本件通知が発出されるより前の平成12年12月22日に
再任用条例を制定していた。再任用条例は,年金支給開始年齢の引き上げ
に対応して再任用任期の末日を定める附則4を置いていることから,「雇
用と年金の接続」という国の政策趣旨と目的を同じくしている。
また,府

主文(判決文より)

1 原判決を次のとおり変更する。
2 被控訴人は,控訴人に対し,315万4441円及びこれに対する平成
29年4月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 控訴人のその余の請求をいずれも棄却する。
4 訴訟費用は,第1,2審を通じてこれを5分し,その2を控訴人の負担
とし,その余を被控訴人の負担とする。
5 この判決の2項は,仮に執行することができる。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。