納骨堂経営許可処分取消,納骨堂経営変更許可処分取消請求控訴事件

事件の基本情報

裁判所大阪高等裁判所
事件番号令和3(行コ)77
判決日2022-02-10
分類高裁
判決種別判決
判決文が挙げた条文行政事件訴訟法9条1項、行政事件訴訟法9条2項

この事件の代理人

判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。

争点(判決文より)

争点及び争点に関する当事者の
主張は,下記3のとおり当審において控訴人らが追加補充した主張を加え
るほか,原判決「事実及び理由」中の第1及び第2の1から4までに記載
のとおりであるから,これを引用する。
3 当審において控訴人らが追加補充した主張
⑴ 控訴人らの主張
ア 控訴人ら主張利益㋐(生活環境に関する利益)について
本件細則8条本文は,墓地等の経営及び施設変更許可の基準として,
その保護対象施設を学校,病院及び人家と個別具体的に特定した上で,
これらの保護対象施設の敷地からおおむね300メートル以内の場所に
墓地等があるときという明確な基準を定めてこの場合の許可を原則禁止
しているところ,距離制限規定は,個々の保護対象者の所在地を起点と
する一定の距離内において当該保護対象者に不利益をもたらす施設等の
設置を禁止するものであるから,このような距離制限規定が設けられて
いること自体から,本件細則8条本文には保護対象施設の敷地からおお
むね300メートル以内の場所に居住する住民等の個々の保護対象者の
利益を個別的利益としても保護すべきものとする趣旨及び目的が含まれ
ていると解することができる。
また,納骨堂はいわゆる嫌忌施設であるところ,本件細則10条2
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号は納骨堂の周囲に塀を設けることを規定している。同条1号は,同様
に,墓地の周囲に塀を設けることを規定しているが,樹木を植えて塀に
代えることができるとされていることからは,納骨堂の周囲の塀は,防
火上の観点からだけでなく,嫌忌施設である納骨堂の存在が周囲から見
えにくくするために要求されているものと解される。したがって,同条
2号は,周辺住民が嫌忌施設である納骨堂を目にすることにより生じる
景観上の被害の防止もその目的とするものと解される。
以上によれば,嫌忌施設である納骨堂が設置されることに起因して
本件細則8条本文の距離制限区域内の周辺住民が受ける精神的苦痛を受
けない利益は,法律上保護された利益であると解することができる。
確かに,嫌忌施設には様々なものがあり,人によってその受け止め
方は相当に異なるものではあるが,そのことから直ちに嫌忌施設に起因
する精神的苦痛を受けない利益が法律上保護された利益になり得ないと
はいえない。当該嫌忌施設を嫌忌する理由が社会通念上相当でない場合
や特殊な好悪の感情によるものである場合は別として,社会通念上相当
かつ一般的な理由に基づくものであれば,周辺住民の嫌忌施設に起因す
る精神的苦痛を受けない利益も法律上保護された利益に当たると解すべ
きである。この点,納骨堂を嫌忌する理由は,人が生活の本拠として暮
らしを営む場所の目の前に,人の死を象徴し,多数の遺骨を収蔵する施
設が設置され,日常生活の中で常にこれと接しなければならなくなるこ
とを苦痛に思うとい

主文(判決文より)

1 控訴人Aら6名の本件控訴について
⑴ 原判決中控訴人Aら6名に係る部分を取り消す。
⑵ 控訴人Aら6名の本件訴えをいずれも大阪地方裁判所に差し戻す。
2 控訴人会社の本件控訴について
⑴ 本件控訴を棄却する。
⑵ 訴訟費用中,控訴人会社と被控訴人との間に生じたものは,第1,2
審とも,控訴人会社の負担とする。

出典

本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。