事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和3(う)1284 |
| 判決日 | 2023-09-25 |
| 分類 | 高裁 |
| 判決種別 | 判決 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 ⑴ 被告人は、本件当日の警察官取調べ以降、被害者らを「哲学的ゾンビ」(人間と 全く同じ姿形をしており、人間と全く同じ振る舞いをするが、自我や感情のない存 在)と認識していた旨供述しており、原審公判でも同趣旨の供述をした。 原審では、本件の客観的な事実関係に特段の争いはなく、争点は責任能力とされ、 原審弁護人は、被告人は本件当時、重度の統合失調症にり患しており、その妄想・ 幻聴の圧倒的な支配の下で本件各行為に及んだものであり、心神喪失の状態にあっ た疑いがあると主張した。これに対し、原審検察官は、妄想・幻聴の影響は圧倒的 なものではなく、善悪判断能力及び行動制御能力は著しく低下していたが全くなか ったわけではないので、心神耗弱にとどまると主張した。 ⑵ 原審の公判前整理手続では、起訴前鑑定人である甲医師と乙医師の証人尋問の 実施が検討されたが、甲医師が海外に長期滞在していて、裁判員裁判の公判期日に 合わせて帰国する見込みが立たず、同医師が一時帰国した際に公判前整理手続内で 証人尋問が行われ(令和3年3月10日)、第22回公判前整理手続期日(同年1 0月8日)で、甲医師作成の鑑定書(原審弁1)が刑訴法321条4項により、同 人の証人尋問調書(原審甲164)が同法321条1項1号により、それぞれ採用 された。そして、これに加えて、乙医師と、原審弁護人の依頼で意見書を出してい た丙医師の証人尋問を行う旨の立証計画が策定された。 原審公判では、上記計画に基づいて鑑定書及び証人尋問調書の取調べや証人尋問 が行われた(なお、丙医師の証言内容は、甲鑑定を基本的に支持する、というもの - 2 - である。)。 3 各鑑定の概要 甲鑑定(鑑定書及び証人尋問調書) 被告人は、本件当時、妄想型統合失調症にり患しており、本件各行為は、その幻 声、妄想及び身体的被影響体験の影響により動機づけられたものである。被告人が、 「自分が近くの神社に行くまでの道中で出会った哲学的ゾンビを倒すこと」(手段) ができれば、「Aが結婚してくれる」(目的)と確信したことは、目的と手段の関係 性も、目的及び手段自体も了解不能であり、二重の意味で動機が了解不能であるか ら、被告人は本件当時非常に重篤な精神状態にあり、被害者らを哲学的ゾンビと認 識していて、人を殺害しているという認識はなかったのであって、本件各行為はそ の精神症状の圧倒的な影響を受けてなされたものである。 乙鑑定(原審証言) 被告人には、妄想型統合失調症の疑いがあり、これによる幻覚・妄想の影響を受 けて本件各行為に及んだものであるが、被告人の本件当時の言動等には被告人自身 の思考や現実的な批判能力等の正常な精神構造が一定程度機能していたこと、被告 人の元来の性格傾向等が妄想の受入れに関与していることなどからすると、被告人 は、本件当時、
主文(判決文より)
本件控訴を棄却する。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。