事件の基本情報
| 裁判所 | 大阪高等裁判所 |
|---|---|
| 事件番号 | 令和5(ネ)57 |
| 判決日 | 2023-12-19 |
| 分類 | 民事 |
| 判決種別 | 判決 |
| 判決文が挙げた条文 | 憲法17条、民法709条 |
この事件の代理人
判決文から代理人弁護士を特定できていません。判決文に代理人名が記載されない事件も多くあります。
争点(判決文より)
争点 (1) 本件決裁文書の改ざん指示を理由とする被控訴人の損害賠償責任の有無 (2) 説明・謝罪義務違反を理由とする被控訴人の損害賠償責任の有無 (3) 控訴人の損害 2 争点に関する当事者の主張 (1) 争点(1)(本件決裁文書の改ざん指示を理由とする被控訴人の損害賠償責任 の有無)について 【控訴人の主張】 控訴人の主張は別紙2「控訴人の主張」記載のとおりであり、その要旨は以 下のとおりである。 ア 被控訴人が理財局長の地位を利用して本件決裁文書の改ざんを指示した ため、Aは改ざん作業を強要され、これにより極めて強い心理的負荷を受け、 鬱病を発症して自殺するに至った。被控訴人は、改ざん指示によってAが極 めて強い心理的負荷を受けることを少なくとも認識・認容していたから、被 控訴人の改ざん指示は故意による不法行為を構成する。 イ 本件決裁文書の改ざん指示という被控訴人の行為は、職務権限の範囲を明 らかに逸脱し又はこれを濫用したものであって、公務員としての職務行為と は評価できないから、国賠法1条1項は適用されない。 ウ 仮に被控訴人の行為について国賠法1条1項が適用されるとしても、公務 員個人の損害賠償責任を否定する説(否定説)に基づく最高裁判例は変更さ れるべきであって、公務員に故意又は重大な過失がある場合には公務員個人 の損害賠償責任を認めるべきであるし(制限的肯定説)、これが認められな いとしても、少なくとも故意を超えた悪質な権限濫用事案は最高裁判例の射 程外であるから、このような事案では公務員個人の損害賠償責任を認めるべ きである(権限濫用説)。そして、上記ア及びイのとおり、本件において、被 控訴人には故意があるし、悪質な権限濫用をしているから、被控訴人の控訴 人に対する損害賠償責任は否定されない。 また、国賠法1条1項が公務員個人の損害賠償責任を否定しているとすれ ば、これは憲法17条、14条、29条2項及び13条に違反するものであ る。 エ したがって、被控訴人は、控訴人に対し、本件決裁文書の改ざん指示につ いて、民法709条に基づく損害賠償責任を負うというべきである。 【被控訴人の主張】 公務員個人は職務行為について民法709条に基づく損害賠償責任を負わ ないから、控訴人の主張する行為について被控訴人が損害賠償責任を負うこと はない。 (2) 争点(2)(説明・謝罪義務違反を理由とする被控訴人の損害賠償責任の有無) について 【控訴人の主張】 本件決裁文書の改ざん指示に係る違法性の強さ及びAの自殺という重大な 結果に照らせば、被控訴人は、国家公務員を退職後も、控訴人に対して本件決 裁文書の改ざん指示の経緯に関する説明及び謝罪をすべき信義則上の義務を 負っている。それにもかかわらず、被控訴人は、平成30年10月28日に1 回、令和元年8月上旬
主文(判決文より)
1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。
出典
本ページは裁判所が公開する判例データに基づいています。